キャブレターの オーバーホール – ヨシムラTM-MJNキャブレター(モンキー用)

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター




キャブレターのオーバーホールは、キャブレター構造の勉強にも最適です!

キャブレターとはガソリンタンクからキャブレター本体にガソリンを送り込み、吸気口から空気を吸い込ませ、ガソリンと空気を混ぜ合わせて混合気を作り出す装置。エンジン内に送り込まれた混合気が爆発することにとり、タイヤを回す動力となるわけです。

キャブレターの内部にはガソリンや空気、また混合気を通過させるための“非常に細い管”が多数設置されていますが、長期間放置されたバイクのキャブレターは、キャブレター内のガソリンが酸化(ガソリンが腐る)し、“ドロリ”とした泥状の汚れが発生。この“ドロリ”とした汚れが管に入り込むと、パワーの低下や始動性不良(最悪の場合はエンジンがかからない)など様々な不具合をもたらします。

キャブレターは一般工具があれば簡単に分解可能。「この冬、一度もエンジンをかけていない」というバイクは、ぜひともキャブのオーバーホールを実施!キャブ構造の勉強にもなりますよ!!

人気のキャブレター、ヨシムラミクニTM-MJNφ24オーバーホール

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

排気量88cc&社外シリンダーヘッドでチューニングされたモンキーには、中口径のヨシムラミクニTM-MJNφ24φキャブレター採用。今回は4ストエンジン用の高性能キャブレターをオーバーホールしてみます。

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

キャブレターを取り外す前に、まずはガソリンコックをOFFにします。これでガソリンタンクからのガソリンの流れが遮断されます。

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

次にキャブレターへガソリンを送り込むためのフューエルホースをキャブレター本体から抜き取ります。もしも素手で引き抜けない場合は(特に寒さの厳しい冬場はホース自体の内径が縮み、ホース自体が硬くなって抜けにくい)、ラジオペンチ等の工具を使用します。

エアフィルターを取り外し

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

マイナスドライバーで固定バンドを緩め、エアフィルター(写真はワンオフカバー付き)を取り外します。このモンキー改には社外エアフィルターを装着していますが、ノーマルモンキーはエアクリーナーを採用。アップ型マフラーを取り外せば、エアクリーナーが姿を現します。

固定バンドを緩める

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

エアフィルター同様、マイナスドライバーを使って固定バンドを緩めます。なおノーマルゴリラのキャブは固定バンドではなくボルトで固定されています。

キャブ本体を取り外し

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

固定バンドを緩めたら、ラバーマニホールドに挿入されたキャブレター本体を引き抜きます。キャブレター本体を斜めに傾け過ぎると、キャブレターの各部からガソリンが漏れてくるので要注意。キャブレターは出来るだけ真っ直ぐに引き抜くのがポイントです。

トップキャップボルトを緩める

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

六角レンチを使い、キャブレター上部のトップキャップを固定している2本のボルト(ヘキサゴン)を緩めます。トップキャップはスロットルワイヤーを介し、手元のスロットルにつながっています。

スロットルバルブが登場

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

トップキャップを取り外すと、スロットルワイヤーに接続されたスロットルバルブが姿を現します。TM-MJNφ24はスロットルバルブが板状になった「フラットバルブ」を採用。ノーマルモンキーやゴリラに採用の「円筒バルブ」との違いは下記を参照!

キャブによって異なる「スロットルバルブ」

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

②フラットバルブ

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

①円筒バルブ

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

①円筒バルブ

スロットルバルブとはキャブレター内に空気を取り込むための“窓口”となるパーツ。スロットルを開く・戻す=スロットルバルブが開く・閉まるという構造です。

ノーマルモンキーやゴリラのスロットルバルブは、写真①のような円筒状の円筒バルブが採用されていますが(写真①はチューニングエンジン用のPE24φ)、写真②のTM-MJNφ24には板状のフラットバルブを採用。

同じ口径のキャブレターの場合、一般的にフラットバルブは円筒バルブよりも軽量に設計できるため、スロットルレスポンスが向上する等のメリットが生まれます。

キャブ内部のガソリンを抜く

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

キャブレターの下部(フロートチャンバーボディーと呼ばれるガソリンを溜める箇所)には、ガソリンを抜き取るためのボルトが設置されています。このボルトを緩め、キャブレター内のガソリンを抜き取ります。

いよいよオーバーホール開始!

エンジン側からキャブレター本体を取り外し、ガソリンを抜き取ったら、いよいよキャブレターのオーバーホールの開始です。「オーバーホール」とは各部を分解してキレイに掃除することに加え、劣化した消耗部品を交換すること。本来の性能を取り戻すための、レストア等には欠かせない作業です。

モンキーの車体から4ストミニ用キャブレターの定番、「ヨシムラミクニTM-MJNφ24キャブレター」を取り外し、分解して内部を観察してみるとともに、キャブクリーナーを使って各部をしっかりと洗浄してみましょう。

キャブクリーナーでしっかりと洗浄

 「キャブレターのオーバーホール」とは、キャブレターの各部を分解して洗浄するとともに、劣化した消耗部品を交換すること。キャブレター本来の性能を取り戻すための、レストア等には欠かせない作業です。作業の手順としては、

車体からキャブレターを取り外す。

キャブレター各部を分解する。

市販のキャブクリーナーを使い、キャブレター各部を洗浄。特に取り外したジェット類、またガソリンや空気、混合気を通過させるための“細い管”は念入りに洗浄する。

消耗部品であるパッキンを交換する。

レストア時や長年放置されていたキャブレターの場合、キャブクリーナーでは汚れが飛ばず、コンプレッサーによるエアーが必要となる場合もあります。エアーを使用する時は、小さな部品を吹き飛ばして紛失しないよう十分注意しましょう。

フロートチャンバーボディーを取り外す

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

六角レンチを使い、フロートチャンバーボディーを固定している4本のヘキサゴンを取り外し。フロートチャンバーボディーとは、ガソリンタンクから送り込まれたガソリンを溜めておく場所です。

汚れを洗浄

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

前回キャブレターをオーバーホールしたのは数年前…。フロートチャンバーボディーの底には、黒っぽい汚れが薄い層となって付着していました。まずはキャブクリーナーを吹き付け、汚れを浮かします。

洗浄完了!

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

中央付近にある上方に伸びた管(ガソリンが一定量以上になったら外へ流し出し、ガソリンが溢れるのを防いでいるオーバーフローパイプ)の中にもキャブクリーナーを吹き付けます。フロートチャンバーボディーの底の汚れが浮いたら、キレイなウエスでしっかりと拭き取ります。

メインジェットを取り外す

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

マイナスドライバーを使い、フロートとフロートの真ん中にあるメインジェットを取り外します。メインジェットとは“メイン”という名の通り、中高回転域の燃料調整を担当。スロットル開度1/2~全開までの燃料供給を司るジェットです。

細いマイナスドライバーを使用

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

次にスロージェットを取り外します。TM-MJNφ24のスロージェットは穴の奥に設置されているため、細くて長いマイナスドライバーを使用。なおスロージェットとはアイドリング&低回転域の燃料調整を担当。スロットル全閉~1/8までの燃料供給を司るジェットです。

スロージェットを取り外す

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

取り外したスロージェット。「エンジンの始動性が悪い」という時には、このジェットと挿入穴を洗浄する、またジェットの番手を変更する(口径を変える)等の処置により改善される場合があります。

フロートの固定ピンを取り外す

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

フロートを固定しているピンを抜き取ります。フロートとはキャブレターの下部に設置された、ロートチャンバーボディー内のガソリン量を一定に保つパーツ。水洗トイレのタンク内にあるフロートと同じしくみです。

キャブレターのフロート回りを分解

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

フロートを固定しているピンを抜き取ると、ガソリン内で浮き沈みするフロート本体と「フロートバルブ」が外れます。「フロートバルブ」とはガソリンを流入・遮断するための小さなパーツ。取り外し後は紛失に注意しましょう。

とにかくバラして各部を洗浄!

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

細い管が入り組んだキャブレターは構造こそ複雑ですが、洗浄のために取り外しが必要なパーツは決して多くありません。また取り外し&取り付け作業も比較的簡単。しかもほとんどのキャブレターは一般工具のみで作業OKです。

「フロートバルブ」の動きに注意!

フロートバルブが閉じる

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

フロートチャンバーボディー内のガソリンが満タンになってフロートが浮くと、ガソリンの流入口に設置されたフロートバルブが上部に移動。ガソリンの流入をシャットアウトします。フロート部分の組み付け後は、フロートを上下に動かして、フロートバルブも上下に動くかを必ず確認すること。

フロートバルブが開く

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

フロートバルブの組み付け方に問題があり固着している場合は、フロートチャンバーボディー内のガソリンが溢れ続ける(オーバーフローし続ける)、もしくはフロートチャンバーボディー内にガソリンが溜まらずエンジンがかからない等のトラブルが発生します。

“管”をキレイに!これが基本

モンキー(Monkey),エイプ(APE)のキャブレター

キャブレターのオーバーホールは、キャブ本体に巡らされた細い管や小さな穴をキレイに洗浄・貫通させてやること、これが基本です。この管に汚れが詰まるとエンジンの不具合等を招きます。

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