モンキー用デジタルCDIで点火タイミングを変更する方法

CDIとはキャブレター仕様の12Vモンキーやゴリラに採用の点火システム。エンジンをボアアップしたら圧縮比が変わるため、スパークプラグの点火タイミングを変更してやる必要がある=CDIを交換する必要があります。今回は任意に点火タイミングが変更できる数種類の点火マップを備えた「デジタルCDI」をクローズアップしてみましょう。

CDIって何?CDIの基礎知識

デジタルCDIは任意に点火タイミングの変更OK

写真は2000年代後半までキタコから発売されていたモンキー用の「デジタルマップコントロールCDI」。デジタルCDIは「アナログCDI」とは異なり、エンジンのチューニングモードに合わせて任意に点火時期が変更できるのがポイント。一般的にデジタルCDIはアナログCDIよりもお値段が張るのですが、便利さとポテンシャルの高さを考えればとってもお買い得です。

キタコ製モンキー用デジタルCDI

キタコ製の絶版お宝アイテム、デジタルマップコントロールCDI(当時の発売価格は2万1000円)。マイクロコンピューターに点火時期がプロムラミングされた、完全デジタル制御式の超高性能CDIです。100回転毎に点火時期を設定することで、理想的な燃焼を実現。幅広いパワーバンドを確保しています。

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マイクロコンピューターに4種類の点火プログラムをインストール済み。チューニング度合いに応じた点火時期設定が可能です。ギボシを付け替えて設定変更するシステムを採用。

デジタルCDIのマップ

▲各ポジションマップにはオーバーレブリミッター機能(①1万3500rpm②1万4000rpm③1万4500rpm④16000rpm)を装備。

デジタルCDIと点火タイミングの関係

写真下は12Vモンキーのジェネレーター(発電器)部。丸いフライホイールの「ピックアップ部(凸部分)」と黒い「ピックアップセンサー」が合致した内でスパークプラグが着火。つまりこの箇所が点火タイミングとなります。

モンキーのジェネレーター

ピックアップ部(凸部分)とピックアップセンサーが合致。

モンキーのピックアップセンサー

ピックアップ部(凸部分)とピックアップセンサーが合致。

モンキーのピックアップセンサー

ピックアップセンサーがピックアップ部(凸部分)を感知する。

フライホイールの「Tマーク」と「Fマーク」

ノーマルの場合、上記のようにフライホイール側のピックアップ部(凸部分)とエンジン側のピックアップセンサー(黒いパーツ)が合致すると、

下記のようにクランクケースの切り欠き(矢印)は、TマークとFマークのほぼ真ん中の位置にきます。つまりピストンがもっとも上昇する上死点(Tマーク)よりも、やや早めに点火させるようセッティングされているわけです。

モンキーのフライホイール

エンジンに合わせて点火タイミングを進角・遅角する方法

6Vモンキーの「ポイント調整」

エンジンの進角と遅角

▲「進角」とは点火タイミングを早めてやること。「遅角」とは点火タイミングを遅らせてやること。社外CDIが普及する前は、クランク軸のフライホイール取り付け部に固定されているウッドラフキーを取り外し、フライホイールの固定位置をズラして進角・遅角させていました。

▲指で指しているのが「ウッドラフキー」。このパーツはフライホイールの位置を固定するためのもの。ウッドラフキーを取り外せば、フライホイールがフリーになる=点火時期の変更が可能となります。

フライホイールの取り外し・しくみ

モンキーのアウターローター

▲ステーターベースプレートの取り付けビス部(矢印)を左右の長穴に切削加工し、点火タイミングを変更できるようにしたジェネレーター(社外の軽量アウターローターがベース)。

ステーターベースプレートの取り付けビスを緩めればピックアップセンサーが動き、任意に進角・遅角させることが可能。点火タイミングが細かく調整できるのがポイントです。

進角・遅角の作業を、写真上のような手作業ではなく、コンピューターが行ってくれる。これがデジタルCDIです。

デジタルCDI、各マップの乗り味の違いを比較

社外シリンダーヘッドを装着した排気量88cc(ボア52φ×ストローク41.4mm)のモンキーで、上記のデジタルCDIの各マップの乗り味を比較してみました。

ノーマルエンジン用マップ 走行フィール★★★★☆

3-1

ノーマル49cc用のマップ。アクセルの開け始め(3000rpmあたり)でブ.ブ.ブ.ブ…というパワーの落ち込みがあります。ただしこれも一瞬で、4000rpmを超えるとグングン加速。パワーの落ち込みもなく、高回転域までスムーズに吹け上がりました。

オーバー100ccフルチューン用マップ 走行フィール★★★☆☆

3-2

ノーマルエンジン用マップに比べ、低中回転域では明らかにトルクが低下し、ギクシャクした乗り味。また全域でパワーに谷間があります。

ミドルチューン用マップ1 走行フィール★★★★★

3-3

ノーマルエンジン用マップの時に発生していた低回転域でのパワーの落ち込みもなく、スタート時から高回転域までスムーズに吹け上がります。トルク感もあり、街中での乗りやすさは申し分なしです。

ミドルチューン用マップ2 走行フィール★★★★★

3-4

「ミドルチューン用マップ1(以下1)」に比べてさらにエンジンが軽快に、しかも軽く回る感じです。低回転時からスルスルと前に進み、「1」よりもレーシングモードがアップ。「1」=ビギナー用、「2」=上中級者用というイメージ。

ノーマルCDIでもテスト走行。その乗り味は?

ノーマルは任意に点火時期の変更できないアナログ式。88ccエンジンとの組み合わせはどうでしょう? 

5000rpmを超えてからは問題なく吹け上がってくれますが、低回転域にてパワーに谷間があってやや扱いづらさを感じます。

モンキー用ノーマルCDI

※注:走行フィールはあくまでも体感によるものです。ジェネレーターなど電気系パーツの種類や劣化具合、キャブレターのセッティング等々により異なってくる場合がありますのでご注意を。

こんなデジタルCDIもあり!

上記で使ったデジタルCDIはギボシを付け替えてマップを変更するタイプですが、CDI本体にスイッチを設けたタイプもあります。写真下はデイトナから発売のデジタルCDI。CDIの下部に「点火特性の変更(3種類)」と「リミッターの設定(4種類)」のスイッチが設置されています。

モンキー用デジタルCDI
モンキー用デジタルCDI
デジタルCDI 2