モンキーのエンジンを積む・降ろす方法

ストロークアップ時など腰下の分解には、エンジンの積み降ろしは必須。ただしモンキーやゴリラの場合、エンジンもコンパクトだから作業は簡単。慣れてしまえば一人で積み降ろしすることも可能だ。12Vゴリラ(88ccチューニングエンジン搭載)のエンジンを実際に降ろしてみよう。

作業は一般工具でOK

12Vモンキーやゴリラの場合、エンジンの積み降ろしは「ボルトを緩めてパーツを取り付ける・取り外す」が基本。ボルトやパーツが錆び付いている、または破損している等の事態を除けば、基本的に特殊工具は不要。一般工具で作業OKだ。 エンジンを降ろす時は、

1. 火傷を防ぐためにエンジンが冷えた状態で行うこと

2. バッテリーのコネクターは抜いておくこと

3. エンジンオイルを抜いておくこと(エンジン分解時)

まずはミッションを1速に入れた後(ドライブスプロケット取り外し時に回転を防ぐため)、六角レンチでシフトペダルを取り外す。

ソケットレンチを使ってジェネレーターカバーを取り外す。ジェネレーターカバーを取り付ける各ボルトは長さが異なるので、取り付け時は注意すること。

●規定トルク:1.0kg・m(※)

ドライブスプロケットを固定しているボルトを取り外す。ドライブスプロケットの回転を防ぐため、シフトペダルを取り外す前にミッションを1速に入れておくこと。

●規定トルク:1.1~1.5kg・m(※)

タコメーターギアボックスに接続されているタコメーターケーブルを取り外す。

エンジン本体からクラッチワイヤーを取り外す。

キックアームを取り外す。

ラジオペンチで割ピンを引き抜き、ブレーキランプスイッチのフックを外した後、リヤブレーキのフットペダルを取り外す。

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メガネレンチを使い、マフラーのフランジ部を取り外す。

●規定トルク:0.8~1.2kg・m(※)

今度はキャブレター回りの取り外し(写真はヨシムラミクニTM-MJN24)。まずは燃料コックをOFF。次にキャブレター本体のドレンボルトを緩め、キャブレター内と燃料ホース内のガソリンをすべて抜き取る。ガソリンが抜けたら、燃料ホースをキャブレターから引き抜く。

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エアフィルターを取り外す。

マニホールドを取り外す。取り外した後は、吸気ポートからの遺物混入を防ぐため、ウエスなどを詰めておく。

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スロットルワイヤー&スロットルバルブ部分とキャブレター本体を分割する。

プラグキャップを取り外す。同車のシリンダーヘッドには、オイルクーラー用ホース接続口を設置。このホースも引き抜いておく。オイルクーラー用ホースからはオイルが流れてくるので、事前にウエスを用意しておくこと。

ジェネレーター側から伸びているコネクター類を取り外す。

エンジン底にある4本のボルトを緩め、ステップを取り外す(同車は他車用ステップを流用)。この瞬間にサイドスタンドが使えなくなるので、別途センタースタンドを用意する必要あり。

●規定トルク:2.4~3.0kg・m(※)

エンジンを固定しているのは○内の2箇所のマウントボルト

エンジンに接続されている関連パーツを取り外し、ナットで固定されている2本のマウントボルトを引き抜けば、エンジンとフレームは簡単に分離できる。

安全確保のため、まずは下側を取り外し、次に上側を取り外すのがポイント。エンジン下に衝撃緩和用の毛布などを敷いておくのもベター。

エンジンの積み降ろしは慣れれば1人で作業できるが、ビギナーは2人で作業すればスムーズに行えるはず。

●規定トルク:2.0~2.5kg・m(※)

モンキー用レーシングスタンド
バイク用ジャッキ
バイク用ジャッキ

レーシングセンタースタンドとバイク用ジャッキを使えば、一人でも簡単にエンジンの積み降ろしが可能です。

コンパクトなので自室でも作業OK

12Vゴリラのエンジンを降ろしたところ。同車のエンジンは非常にコンパクトなため、ポイントさえ押さえていれば、誰でも簡単に作業できるはず。自室でのエンジンチューニングも場所をとらずに行える。

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エンジンスタンドを使いこなせ!

市販のエンジンスタンドを使えば床に傷が付きにくく、作業も楽。エンジンの取り付けは、以上の作業の逆の手順で行う。

パーツの取り付けにはトルクレンチを使用

各部の取り付けにはトルクレンチを使い、規定トルクで締め付けることが大切。規定トルク以外で締め付けた場合は、

1. トルクの掛けすぎによるパーツの破損

2. ボルトやネジの緩み

を招く恐れがあるので注意しよう。

グリップ部を回転させて規定トルクに設置。設定トルクをデジタルで表示する便利なタイプもあるので要チェック。

※注:上記締め付けトルク値はメーカーのサービスマニュアルによるものであり、各アフターパーツメーカーのパーツによって異なる場合があります。

【次なるステップ】

→ 腰上パーツ(ヘッドやピストン)の分解

→ 腰上パーツ(ヘッドやピストン)の組み付け

→ 腰下パーツ(クランクケースなど)の分解・組み付け

 

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