モンキー・ゴリラの足回り – フロントフォークの交換

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モンキーやゴリラのフロントフォークは3馬力強での走行を前提に設計されているため、パワーアップ時には少々役不足。また10インチ以上にインチアップする時には、エンジンとフロントタイヤのクリアランスが保てない場合が多いため、基本的にフロントフォークも要交換となる。

衝撃を吸収し、タイヤと路面の接地力を安定化

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フロントフォークとは、フロント側のサスペンションのこと。フロントフォークが上下に動くことにより、段差を通過した時などの衝撃を吸収。路面とタイヤの接地力を安定させるという働きを持っている。

フロントフォークの交換で、走りもフォルムも飛躍的に向上

ノーマルモンキーのフロントフォークは、フォークオイルの入っていない、スプリングのみのシンプルな構造。時速30km/h+αでの走行を想定し、設計されている。

例えばボアアップによって時速80km/hまで速度を上げた場合、舗装路であってもフロントフォークの性能がスピードに追従できず、常にフワフワしたような不安定さを感じるはず。そこで活用したいのがスプリングに加え、フォークオイルによるダンパー機能を装備したフロントフォークキット。スポーティーなフォルムに仕上がるのはもちろん、スプリングのみのノーマルとは数ランク上の、優れたポテンシャルを発揮してくれる。

一方、エイプやXR50/100モタードにはダンパー機能付の正立フォークが装着されているが、専用ステムを駆使して倒立フォークに変更するユーザーも多数。ノーマルとは一味違ったレーシーなスタイルに仕上がるのがポイントだ。

サスペンションの動きは、こんなイメージ

スプリングのみの場合、路面の凹凸によって縮んだスプリングの反動が治まらず、伸縮が続いてしまう。一方、ダンパーを追加すると、スプリングの反動が減少し、サスペンションの縮み側(サスが沈む方向)と伸び側(サスが戻る方向)の動きも滑らかになる。

ノーマルフォークではタイヤとエンジンが接触

モンキーのホイール&タイヤをノーマル8インチから10インチ以上にアップした場合、全長の短いノーマルのフロントフォークではエンジンのシリンダーヘッド部がフロントタイヤに接触してしまう(特にフロントフォークが沈むブレーキング時。また、扁平率の高いファットタイヤタイヤ装着時など)。その場合は、シリンダーヘッドとタイヤのクリアランスを確保するため、社外のフロントフォークや他車用フロントフォーク(NSF100用やNSR50用等)への交換が必要となる。

フロントフォークを大幅に突き出して華麗にローダウン

写真は10インチアルミホイール&90/90-10タイヤを履いたドラッグフォルムのモンキー。フロントフォークの突き出し量(トップブリッジからのフォーク突き出し量)を多めに設定して、大幅に車高をローダウン。フォークのストローク量を抑制して、タイヤとエンジンの接触を回避している。

必要なパーツがセットになったフロントフォークキット

モンキー用フロントフォークキットの多くはフォーク2本、三つ又、トップブリッジが1セット。また種類によっては専用ドラムパネルやディスクブレーキキットが付属されている。好みや予算に応じてセレクトしよう。

テレスコピック式フロントフォーク

望遠鏡(テレスコープ)のように2つの筒(インナーチューブとアウターチューブ)が上下にストロークする方式。ストローク量が大きく確保できるため、スポーツ走行や乗り心地に優れているのが大きな特徴だ。多くのノーマル4ミニや社外製フロントフォークがこのタイプを採用。テレスコピック式フロントフォークには、ポピュラーな正立型とレーシーな倒立型の2種類がある。

正立型フロントフォーク

社外製フロントフォークの中でもっとポピュラーなタイプ。ノーマルのエイプもこのタイプ。フォークブーツ(下側の筒の部分。アウターチューブとも呼ぶ)の中にスプリングとフォークオイルを設置することにより、「粘り強く縮む」「粘り強く戻る」力を大幅にアップ。衝撃を緩和して安定した走りを可能にしてくれる。

インナーチューブ(上部の丸パイプ)のサイズは27φ、30φ(NSF100用やNSR50用、NSR-Mini用と同寸)、31φ(エイプ用やNS-1用と同寸)がメイン。モンキーの場合、一般に10インチ以上のカスタムを製作する時に交換する。フォーク長が短めに設定された8インチ用もラインナップ。

倒立型フロントフォーク

正立型とは逆に、スプリング&フォークオイルの入ったアウターチューブが上側、インナーチューブが下側になったタイプ。バネ下の重量が軽減されることによって、路面への追従性も向上。

またハンドル側となるアウターチューブ径も拡大されるため、剛性もアップする。レーシーな外観に仕上がるのも大きなポイント。4ストミニカスタムでは社外製の装着はもちろん、社外製ステムを駆使してKSR110用フォークやRS125R用フォークを流用するユーザーもいる。

カブのフロントフォークはボトムリンク式

ノーマルのスーパーカブやリトルカブ、一部のスクーターには、車体を支持するフォークとホイールの間にアームを介したボトムリンク式サスが採用されている。

この方式には、タイヤを前にオフセットした「リーディングアーム式」と、タイヤを後ろにオフセットした「トレーリングアーム式」の2タイプがある。ボトムリンク式のメリットは、構造が簡単で低コストなこと。ただし構造上、ストロークを長く確保できないため、スポーツ走行には向いていない。

カブのフロントフォークをテレスコピック式にするには、モンキー用ステムを加工・流用するのが定番。

ノーマル用フォークをローダウン化

モンキーや旧型ダックスのノーマルフォークをローダウンして車高を落とすカスタムも人気の手法。方法はフォーク内のノーマルスプリングやインナーチューブをカット加工する、社外のショート型インナーチューブやインナースプリングに交換するなどがメイン。ノーマルフォルムのまま、ローダウン仕様にしたいユーザーにピッタリのカスタム術だ。

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モンキーの場合、ノーマルフォークのショート化は6インチカスタムやドラッグカスタムにも多用。ショート型インナーチューブやショート型スプリングなど、ボルトオンのショート化用パーツもラインナップされているから、ビギナーも安心。

旧型のシャリィやダックスをベースに、ノーマルフォークをショート化してローダウンした「浜松仕様」も大人気。 ノーマルフォークにダンパーを装着。

ノーマルモンキーのフロントフォークは粘性オイルが採用されていないスプリングのみのタイプ。写真はモンキーのノーマルフォークにデイトナ製のダンパーを装着し、フロントの足周りを強化したカスタム。ノーマルフォークのスカスカ感を解消し、ワンランク上の走りを可能にしている。

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