アルミフレームに載せるならモンキーorエイプエンジンが有利?

かつてはモンキーカスタムの王道でもあった、NSR用フレーム+横型エンジン。しかしロードコースを使った耐久レースなどでは、NSR用フレーム+縦型エンジンの組み合わせがすっかり当たり前となり、2005年12月には、NSR用フレームをベースに縦型エンジンを搭載したNSF100も登場した。モンキーの横型エンジン&エイプの縦型エンジンとフレームの関係性について、「水本レーシング」の水本氏に聞いてみた。

NSR用フレーム+縦型エンジンが人気だった理由

– NSF100が登場する以前のお話。ロードコースでの4ミニ耐久レースの人気が高まった2000年前半には、NSR用フレームに横型エンジンを積むよりも、縦型エンジンを積むユーザーが多かったですね。やはり強度やバランスの問題ですか?

水本氏(以下、水): NSR用フレーム+横型エンジンは、軽量さがポイント。直進安定性はもちろん、コーナリング性もまったく問題ありません。ただし、ブレーキを掛けてフロントフォークをフルボトムさせた時、フロントタイヤとエンジンのシリンダーヘッドが接触することがある。

この対策として定番だったのが、フォークの減衰力変更。フォークオイルの粘度を硬くするのと同時に、フォーク内部のオリフィス(フォークオイルの通り道)などをNSR-Mini用に交換、あるいはフォーク本体をNSR-Mini用に丸ごと交換して強化していた。ただしこの方法はベース車両がNSR50の場合、意外と手間やコストが掛かってしまうんです。

一方、縦型エンジンの搭載は、横型よりも安く仕上がる場合がほとんど。横型エンジンに特別な思い入れのある人は別ですが、たいていの人は『安く仕上がるのなら縦型でいいや』となる。それにNSR用フレーム+縦型エンジンは、見た目にも収まりがいいし、好タイムも出る。

エイプ100が登場して以降は、すでにレースでは定番になっていたので豊富なデータもあり、安心できる。人気の秘密はそのあたりにあったのでしょう。

水本レーシングがプロデュースしたNSR用フレーム&足周り+横型エンジンのカスタム。エンジンの搭載には、かつてはレースにも使用されていた同社製のエンジンハンガーを使用。同社が1年の歳月をかけて開発したこのパーツは、マシンの低重心化と剛性をしっかりと確保。耐振性も非常に高い。

横型・縦型の最高回転数は?

— 125ccフルチューンカスタムの場合、横型と縦型とのパワーに差はありますか。

: レースでの経験からいえば、パワー的には変わらないような気がします。ただし、特性は異なります。横型はトルクを効かせてガンガン引っ張ってゆくタイプ。ちなみに経験上、レースでのMAX回転数は1万3500rpmあたり。一方、縦型は高回転までガンガン回してパワーを稼ぐタイプで、MAX回転数は1万4500rpmあたりでした(エンジンの回し過ぎはエンジン破損の原因となりますのでビギナーは十分気をつけましょう)。

ノーマルの鉄フレームは“ヨレ”を利用して走る!?

– 水本Rでは、レースでもノーマルのスチール製フレームを使っていたことがありますよね。なぜNSR用フレームや社外のアルミフレームを使わなかったんですか。

: 単純にライダーの好みです。ちなみにカートコースでのスプリントレースでは、エイプ100用フレーム&足周りではなく、エイプ50用フレーム&足周りを使っていました。

– なぜ100用よりも剛性の低い50用を?

: 私は100用を勧めたんですが、ライダーが『100用よりも50用の方が、しなりがいいから走りやすい』と。彼はノーマル50用のヨレを利用して走っていたんです(タンデム走行を想定した100は50よりも足周りなどが強化されている)。

– まさに神業ですね・・・。

: もっとも125ccのパワーをフルに使うロードコースなどでは、50用よりも強化された100用を使用していました。さすがに50用だとヨレすぎて、チューニングエンジン本来の性能を引き出すことは出来ませんから。

RS125用フレームと横型エンジンの組み合わせ

– 水本Rといえば1990年代後半~2000年前半、ミニバイクレースで連戦連勝を飾ったRS125用フレーム&足周り+横型エンジンを採用したマシンがありました。やはり、RS125用フレームは、ノーマルの鉄フレームとは比較にならない?

: はい。あまりにも差がありすぎて。ノーマルのスチール製フレームは、非力なノーマルエンジンで公道を走ることを前提に作られています。一方、RS125用フレームは、パワフルなレース用の2スト125ccエンジンを積んでロードコースを限界まで攻めるために作られたもの。比較対象外と言っても、言い過ぎではありません(笑)。

写真の黄色いマシンは、RS125用フレームに106ccフルチューンエンジンを搭載したレース仕様。ワンオフのマウント製作&フレーム加工によって取り付けられています。荷重配分などを吟味し、エンジンの搭載位置を変更するなど何度もテストを繰り返しましたね。

【横型エンジンと縦型エンジン・関連ページ】

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