バイクのサスペンション – セッティング用語




サスペンションの各部名称や仕組みが理解できたら、実際に走行してベストな乗り味にセッティング。ここではサスペンションのセッティング時、頻繁に使われるいくつかの用語を集めてみた。

フォークオイルの粘度

粘度とは“ネバリ加減”のこと。「硬い」「柔らかい」と表現することもある。基本的に粘度の数値が大きければ粘度は高く、数値が小さければ粘度は低い。分かりやすく「ライト」「ミディアム」「ヘビー」などと表記しているメーカーもある。多くのレースマシンは、コースによって最適な粘度に変更するのが一般的。フォークオイルは温度変化によって粘度が変化する場合があるので、季節によって粘度を変更するユーザーもいる。

イニシャル調整

バネにあらかじめ掛けておく負荷(初期荷重)の調整。簡単に言えば、バネの硬さ調整。プリロード調整とも呼ぶ。言葉の使い方は「イニシャルを掛ける」など。多くの社外製リヤショックには、この機能を装備。レース専用のNSR100用など、一部のフロントフォークにも採用されている。

トラクション

駆動力、つまり後輪が路面を蹴って前に進む力のこと。言葉の使い方は「トラクションが掛かる」など。ちなみにバイクはコーナリング中、トラクションが強ければ車体は安定。逆にトラクションが弱ければ車体は不安定になる。

減衰力

路面の衝撃を受けた時、バネは伸び縮みを繰り返す。この動きを抑制するのが、オイルやガスを注入したショックアブソーバー。減衰力とは、このバネの伸び縮みを抑制する抵抗力のこと。オリフィスという小さな穴を、粘度のあるオイルが通過することで減衰力が生まれる。

バネレート

フォークスプリングやリヤショックスプリングなどの“バネの硬さの度合い”のこと。バネレートを上げる=硬いバネに変更すること。バネレートを下げる=柔らかいバネに変更すること。

不等ピッチバネ

バネのピッチ(間隔)が、ある場所から変わっているバネ。レース用に開発された、高性能な社外製フォークスプリングなどに採用。

底づき

サスペンションが限界まで沈み込み、それ以上ストロークしない状態のこと。

バネ下重量

フォークスプリングやショックスプリングよりも下に装着されているパーツの総重量。なお、バネ下とはタイヤ、ホイール、キャリパー、ディスクローター、正立フォークの場合はフォークブーツなど。バネ下重量が軽いと路面追従性が良くなる。ちなみに倒立型フォークは、バネ下重量を軽減してポテンシャルアップを狙ったタイプ。

路面追従性

凸凹の路面でも、タイヤがしっかりと路面に貼り付く性能のこと。サスペンションセッティングの善し悪しによって、路面追従性は大きく変わってくる。

サスがへたる

サスペンションのバネやオイルが劣化するなどして、本来の性能を発揮していない時に使う。

サスが抜ける

各部の劣化等によってサスペンション内のオイルやガスが漏れてしまい、減衰力のないスプリングのみの状態になってしまうこと。

レイダウン

ノーマルよりも角度を付けて(寝かせて)、ショックアブソーバーを装着する方法。リヤサスの取り付け位置を変更した4ミニや、ロングホイールベース化されたスクーターなどに使われる。

ローダウン

サスペンションのスプリングをカットしたり、短めのショックに変更するなどして車高を下げること。

タンク別体式

ショックアブソーバー本体とは別に、リザーバータンクを備えた高性能なリヤショック。リザーバータンク内には高圧ガス(窒素ガス)を封印。縮みの工程で、封印された高圧ガスがオイルの圧力を吸収するしくみ。ツインショックに多用される「準別体型」、チューブを使い、タンクを完全に分離させたモノショックに多用の「完全別体型」の2種類あり。

ガス入りショック

ショックアブソーバー内にオイルと窒素ガスを封入したタイプ。空気に比べ、窒素ガスは熱膨張率が少ない。衝撃を長時間、しかも連続で吸収し続けても、ショックアブソーバーの性能に変化が少ないのが特徴。