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アルミニウム製品の製法 – 削り出し・鍛造(たんぞう)・鋳造(ちゅうぞう)

メーカーカタログなどで使われている「アルミ削り出し」「アルミ鋳造」「アルミ鍛造」などの用語。これらはアルミパーツの製造方法を示したものです。それぞれの特徴や違いを見てみましょう。

仕上がりも美しいアルミの「削り出し」

アルミ削り出しとは工作機械(コンピュータ制御されたマシニングセンターという機械を使うのが主流)を駆使し、1個のアルミニウム合金の塊りを彫刻のように削り、1つの製品に仕上げる手法。

トップブリッジ、ステム、ハブ、キャリパーサポートなど様々なパーツに用いられます。削り出しパーツポイントは、仕上がりの良さと美しさ。曲げ加工や溶接加工では決して表現できない立体感と存在感は、まさに彫刻品=芸術品そのもの。マシンのクオリティーを何倍にもアップしてくれます。

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金属の塊りを削り、製品に仕上げます。木を素材に彫刻刀を使い、彫刻作品を作るイメージですね。

いくつかの削り出し部品を組み合わせて一つのフレームに仕上げたアルミフレーム。剛性アップはもちろん、カスタム度も群を抜いています。

ディスクブレーキ化の必須アイテムとなるハブも、アルミ削り出しパーツの代表格。端正な足元に仕上げてくれます。

キャストホイールなどに採用の軽量&高強度な「鍛造(たんぞう)」

鍛造はバイクパーツはもちろん、刀の製作など古くから用いられている製造方法。素材となるアルミニウム合金を真っ赤になるまで熱し、金型やプレス機を使って圧縮・成形する。素材を圧縮することによって金属の密度が高まり、剛性がアップするのが大きな特徴。

バイクパーツの場合、主にホイールやピストンなどに採用される。成形後は工作機械を用いて仕上げ加工するのが一般的。マシニングセンターなどで切削仕上げされた鍛造ホイールは、鋳造ホイールに比べて軽量かつシャープな外観に仕上がるのがポイント。

写真上はスポーク部を肉抜き処理されたアルミ鍛造キャストホイール。軽量化はもちろん、見た目も非常にスポーティー。

鍛造パーツの製法

材料となる熱した金属を金型でプレスします。圧縮時に金属内部の結晶が整えられるため、強度が出る。金型を用いることで大量生産ができるのも特徴。一般的に製造コストは鋳造よりもやや高め。

カバー類やホイールに採用。複雑な形状もOKの「鋳造(ちゅうぞう)」

銅像やお寺の鐘の製作にも用いられてきた、昔ながらの手法。溶かしたアルミニウム合金を砂型などの型枠に流し込み、冷却して形にします。クラッチカバーやキャストホイールを始め、シリンダーヘッド、シリンダー、ピストンなどのエンジンパーツ、キャストホイールにも採用。

型枠の種類によっては入り組んだ複雑な形状を作り出すことができるため、削り出しや鍛造よりもデザインの自由度は高い。ややざらついた独特の肌触り、鍛造とは趣の異なる深みのある質感もポイントです。

鋳造の製法

材料となる熱した金属を型枠に流し込み、整形します。鍛造と同じく、こちらも大量生産に向いています。溶けた金属を型枠に流し込む鋳造は鍛造に比べ、複雑な形状でも比較的容易に加工できるのがポイント。ただし内部に気泡が発生することがあり、これが強度低下の原因となることもあります。 一般的に製造コストは鍛造よりも低め。

ピストンには「鋳造」と「鍛造」あり

ピストンの製法には鋳造と鍛造があります。剛性を高めた鍛造=レーシングタイプという考え方もありますが、ミニバイク用の高性能ボアアップキットには、鋳造ピストンを採用したモデルも多数あります。

アルマイト処理でアルミをカラフルにドレスアップ

アルマイト加工によってカラフルにドレスアップできる。これもアルミパーツの長所です。アルマイトとは硫酸に電気を流して表面を酸化させ、薄い皮膜を生成させるアルミに適した化学的加工方法。

アルマイトの最大のポイントは、塗装とは趣きの異なるドレスアップ度の高い仕上がり。赤・青・金など様々なカラーが設定されています。腐食に強くなる、表面を傷から守ってくれる、素材自体の強度がアップするのも特徴。社外パーツの場合、オイルクーラーのバンジョー(取り付け部)、マフラーのサイレンサーカバーなどに採用。

アルミパーツをアルマイト処理でドレスアップする方法

メッキがけでアルミパーツのインパクトを大幅アップ

アルミスイングアームやアルミフレーム、ホイールやディスクブレーキ回りなど、アルミパーツにメッキを施すカスタム術も昨今では定番の手法。ただし表面に小さなブツブツのある鋳造ホイールへのメッキは、「水ぶくれ」が出来やすいので要注意です。

バイクのメッキを完璧にガード – クロームメッキの弱点をカバーしてサビを阻止する方法

くすんだアルミを金属研磨剤とウエスで磨く

表面がかなりくたびれたスイングアーム。今回はホームセンターで購入したスチールやアルミなど研磨剤「ピカール」を使い、磨いてみます。どこまでキレイになるのかな?

きれいなウエスに研磨剤を適量垂らします。

写真下は作業開始から約15分経過したところ。右側が磨いた箇所、左側が磨いていない箇所。新品時の輝きには程遠いけれど、かなり光ってきたのが分かるでしょ?

アルミは汚れを放置すると、写真上のようにくすんだように輝きを失ってしまうので注意しましょう。

アルミ製品のお手入れ方法

スチールに比べ、アルミはサビに強くてメンテナンス性も良好。お手入れの基本は水洗いです。汚れが酷い場合は中性洗剤を薄めた液で汚れを落とし、洗剤が残らぬように水洗い。汚れを流した後は、キメの細かなウエスを使い、傷を付けないよう優しく拭き取りましょう。

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