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モンキーのエンジン – オイル漏れの原因究明と修正作業

モンキーのエンジン - オイル漏れの修正作業

陥没(カンボツ)した道路を通過時、フロントフォークがフルボトム。その瞬間、フロントフェンダーとシリンダーヘッドが激突。翌日、モンキーの保管場所であるコンクリートの地面には、ポタポタと漏れたエンジンオイルの跡が…。エンジンを隈なくチェックすると、シリンダーとクランクケースのつなぎ目からエンジンオイルの漏れを発見。早速エンジンを降ろし、修正作業に取り掛かりました。

フロントフェンダーの位置を変更

モンキーのエンジンからオイル漏れを発見

エンジンを始動してしばらくすると、指を差している箇所からエンジンオイルがジュワーっと滲み出て、その後タラリと垂れてきます。

「たかがフェンダーとシリンダーヘッドが接触しただけで、オイルが漏れるのか」と思いましたが、原因はどう考えてもそれしか考えられません

モンキーのエンジンを降ろし、分解して原因究明

「エンジン降ろし」「エンジンの分解」などと聞くと「難しそう」「自分には絶対無理」と思う人もいるでしょう。しかし、

一般工具。また4ミニエンジンを分解&組み付けるための専用工具

モンキー・エイプのエンジン分解・組み付けに必要な専用工具たち

分解や組み立てに便利な市販のガイドブック

以上があれば怖いものはありません。車両の小さな4ミニはビッグバイクとは違い、エンジンも非常にコンパクト。慣れてしまえば一人でも降ろし&積み作業が可能です。

モンキーのエンジンを積む・降ろす方法

フレームから分離したモンキー改の88ccエンジン。モンキーやゴリラの腰上(シリンダーヘッド、シリンダー、ピストン)を分解する場合、一般的にフロントフェンダーを取り外し、フロントタイヤの空気を抜けば基本的に作業可能。

ただし筆者の場合、ピストンの取り外し&取り付けやシリンダーの挿入作業がやり辛いと感じるため、腰上分解時でも毎回エンジンを降ろして作業しています。

モンキーのエンジンを抱えたところ。見た通り、こんなにコンパクト。大型車ではこうはいきません。分解作業時にもスペースをとらないのが大きなポイントです。重量を計測したところ、16.2kgでした。2リットルのペットボトル約8本分ですね。

モンキーのエンジンの分解作業

シリンダーヘッドカバーにある4本のナットを取り外し、4本のスタッドボルトからシリンダーヘッド本体を引き抜きます。

シリンダーヘッドを取り外したら、今度はシリンダーを引き抜きます。ノックピンやOリングなど、再使用する小さなパーツの紛失に注意しましょう。

モンキーのエンジン分解 1 – 腰上(ヘッド回り)

シリンダーを取り外してみると…。クランクケースとシリンダーの間に挟み込まれたガスケットの一部が裂けていました(矢印)。人差し指に乗せているのは、裂けていたガスケット。

シリンダーヘッドとフロントフェンダーの激突により、矢印の部分に過剰な力に加わり、ガスケットが断裂。その箇所からエンジンオイルが漏れていたのです。

モンキーのエンジン・オイル漏れの修正作業

ガスケットの交換にはカッターナイフ、スクレーパー、オイルストーンを使います。すべてホームセンターなどで手軽に入手可能。

古いガスケットを完全に除去するため、クランクケースに接続された4本のスタッドボルトを取り外します。

作業は10mmのナットを2個用意し、ダブルナット(写真上)にしてスタッドボルトを緩めます。

スタッドボルトの取り付け時は、クランクケース側にネジロック剤を塗布し、トルクレンチを使って規定トルク(純正の場合は0.5kgm)まで締め付けます。規定トルク以上での締め付けは、クランクケース破損の原因となるので注意しましょう。

まずはカッターナイフを使い、削ぎ落す要領で貼り付いたガスケットを剥がします。焦らずに少しずつ剥がすこと、またエンジン側に傷を付けないように作業するのがコツです。

ガスケット全体を剥がしたら、カッターナイフやスクレーパーを使い、細部に残ったガスケットのカスを除去します。エンジン内部にカスが入り込まないように注意しましょう。

最後はオイルストーンにエンジンオイルを塗布し、オイルストーンで接合面を軽く整えます。表面に傷を付けないよう、優しく撫でるように作業するのがコツです。

モンキー・ゴリラ用のガスケットは各パーツメーカーからリリース。モンキー・ゴリラ用の場合、腰上用が1セットになったタイプがお買い得です。

ボアアップキットの種類によってはノーマル50cc用が使えず、専用のガスケットが必要となる場合があるので事前に確認しておきましょう。

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