長い歴史を持つモンキーは、フレームナンバーやエンジンナンバー、つまり「年式」によってクランクシャフト各部やピストンの形状が微妙に異なるのが特徴。Sクランク、Lクランク、12V用クランク、ペントルーフ型ピストン、フラット型ピストン等々が存在するのだ。これらは「自分のモンキーのエンジンは、どのタイプに属するのか?」を知る、最終手段となる。
クランク軸のフライホイール取り付け部、コンロッド、ピストンの形状とサイズをチェック
パーツを購入する際に必要な作業は、まずフレームナンバーの確認から。
モンキーの場合、注意したいのが年式の古い車両やカスタムベース車として使われたことのある車両。モンキーのフレームには、6Vエンジンでも12Vエンジンでも、カブ用エンジンでもシャリィ用エンジンでも、ホンダのOHC横型であれば基本的にどの年式のエンジンであっても搭載できてしまう。そのため、『6V/2.6psのフレームに、6V/3.1psのエンジンが載っている』等々、フレームナンバーとエンジンの仕様が一致しない場合があるのだ。
「自分のモンキーは、一体どのフレームナンバーに当てはまるのか?」これはカスタムパーツを組み込む時に必要不可欠な情報。「フレームナンバーは12Vだが、エンジンは6V」「クランクケースにエンジンナンバーが刻まれていない」という時は、パーツを購入する前に、まずエンジンをバラしてクランク軸のフライホイール取り付け部分、コンロッド、ピストンの形状をチェックしてみよう。特にエンジン用パーツは、適応フレームナンバー以外だと取り付け不可、なんて最悪の事態を招くこともある。十分注意したい。
エンジンナンバーも、エンジンの種類を知るための重要な情報(※注1)。モンキーの場合、エンジンナンバーはジェネレーターカバーの下部に刻印。「Z50J」「AB27」の後に、エンジンを示す“E”が付けられているのが特徴だ。
刻印がない、もしくは「Z」「AB」で始まらない場合は、クランクケースがホンダ純正の新品に交換されたことがある 、初期のモンキー用、旧型車用、もしくは他車用エンジンである(エンジン番号を示したステッカーがはがれている)、ホンダ純正のモンキーではない、などが考えられる。
フレームナンバーはフレームのネック部に刻まれている。カスタムされた経験のあるモンキーは、フレームナンバーとエンジンの仕様が一致しないことがある(※注1)。
※注1:エンジンを一度も載せ換えたことのないノーマルモンキーでも、フレームナンバーとエンジンナンバーが一致しないことがごく稀にある。ただし6V/2.6psモンキーのフレームに、6V/3.1psのエンジンが搭載されているなど、フレームナンバーとエンジンの仕様が異なるということはありえないので要注意。
●2.6psモデルの場合
2.6ps仕様のクランクにはSクランクとLクランク(前期)の2種類がある。ピストン形状は細長く、ヘッド部は盛り上がった高圧縮型(ペントルーフ型とも呼ぶ)。コンロッドは91mmのショート型を採用している。
●3.1psモデルの場合
3.1ps仕様のクランクはLクランク(後期)と12V用クランクの2種類。2.6ps用とは異なり、ピストンは短く、ヘッド部は平らになったフラット型。コンロッドは94mmのロング型としている。
<写真協力:デイトナカタログ>
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