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12V車に採用のCDIで点火時期を最適化&速度リミッター解除

キャブレター仕様の12Vモンキーやエイプなど、多くの4ストミニに採用されている電装系パーツ、CDI。スパークプラグの点火タイミングを司る、チューンアップエンジンのパワーをトコトン引き出すための必須アイテム。スパークプラグの点火タイミングを変更する、またモデルによっては速度リミッター(50ccは60km/h)や回転リミッターが解除できるなどの長所があります。

CDIはプラグの着火タイミングを最適化するパーツ

CDIとはキャブレター仕様の12Vモンキーや、キャブレター仕様のエイプなどに採用された点火システム。

6Vモンキーには定期的なメンテナンスが必要な、ポイント点火式が採用されていた。ポイント点火式は、高回転域でサージングを起こしやすく、点火時期が不安定になりやすいのがネック。

→ 6Vモンキーのポイント調整

CDIはメンテナンス要らず、しかも安定した点火を実現する、ポイント式のデメリットを改善した進化した点火方式。アウターローター(発電機)に設置されたピックアップ部から点火時期(点火タイミング)となる電気信号を受け取り、SCR(サイリスタ)をONにしてコンデンサーに蓄えられた電気を一気に放電。イグニッションコイルでさらに昇圧され、スパークプラグが放電・着火するしくみとなっている。

なぜCDIを交換する必要があるのか?

排気量アップやシリンダーヘッドチューンを実施すると、エンジンが求める適正な点火時期が変わってしまう。つまり、ノーマル時の点火タイミングでは適正な点火の時期が得られず、エンジン本来が持つポテンシャルを引き出せないというわけ。

CDIは一言でいえば、「スパークプラグによる適切な着火タイミングを決めるパーツ」。対象エンジンのポテンシャルがフルに発揮できるよう研究・開発された社外のCDI装着により、理想的かつ確実な点火が誰でも簡単に獲得できる。

CDIの点火タイミングの変更・調整は、クランク軸のフライホイール取り付け部に固定されているウッドラフキーを外し、フライホイールの固定位置をズラして進角・遅角(※注1)させる方法もある。ただし作業にはエンジンに関する専門知識はもちろん、特殊工具が必要なこと、また下記のメリットも考慮して社外品に交換するのが一般的となっている。

※注1:進角とは点火タイミングを早めること。遅角とは点火タイミングを遅くすること。

→ 点火タイミングの進角・遅角

CDI交換のメリット

市販のチューニング用CDIのメリットは各商品によっても異なるが、一般に、

<1> 排気量やチューニング度合いによって点火タイミングを最適化。専用分度器を使った面倒なフライホイール調整の必要がない。

<2> ノーマルCDI装着時よりもパワー、加速特性、レスポンスなどが向上。

<3> 高回転域でも強力な点火力を維持してくれる。

<4> 回転リミッターを解除。50ccスクーターなどの場合は60km/hスピードリミッターが解除できる(一部車両を除く)。

CDIはスタンダードなアナログ型や任意に点火時期を変更できる高性能なデジタル型など、予算や用途によって選べるのが特徴。

交換も非常に簡単

写真はカプラー取り付け部。CDIの交換は、ノーマルCDIに接続されているカプラーを付け替えるだけのものがほとんど。ビギナーでも簡単に作業できる。

12VモンキーのノーマルCDI

写真上は12Vモンキー用のノーマルCDI。ノーマルCDIはシート下に固定されている。交換する場合はシートを外し、カプラーを付け替える。

CDIマグネット点火のしくみ

ジェネレーター部にあるフライホイールが回転することで、コンデンサーに電気が蓄積。同時にフライホイールに取り付けられたピックアップ部がセンサーを通過すると、点火時期を知らせる信号を発信。

この信号(パルス)がトリガー回路に伝わり、SCRをON。コンデンサーに溜まった電気がイグニッションコイルに伝わって電圧を高め、スパークプラグを着火。混合気が爆発するというしくみだ。

点火時期を固定した一定進角のアナログ式、任意に点火時期を変更できるデジタル式などがリリースされている。

フライホイールに取り付けられたピックアップ部と、タイミングプレートに取り付けられたピックアップセンサーが合致した時が点火タイミングとなる。

エンジン側に設置されたピックアップセンサーと、フライホイール側に設置されたピックアップ部(凸部分)。

【合わせて読みたい電装系の関連ページ・中級編】

→ アウターローターとインナーローターの違い

→ 6Vモンキーのポイント調整

→ 点火タイミングの進角・遅角

【合わせて読みたい電装系の関連ページ・上級編】

→ ジェネレーターの分解・組み付け

 

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