フロントフォークがフルボトム(目一杯沈み込むこと)した瞬間、フロントフェンダーとエンジンのシリンダーヘッドカバー固定用ナットが激突。今回はフェンダーの位置を下げ、両者の接触を防いでみます。
スタビライザーの削り加工で、モンキーのフロントフェンダーの位置を下降
このゴリラ改には「NSR50用フロントフォーク」に「ワンオフのスタビライザー」を組み合わせ、「スチール製ノーマルフェンダー」を装着しています。
ハードな段差を通過した時など、NSR50用フロントフォークがフルボトムした瞬間、「ゴツン」とフロントフェンダーとシリンダーヘッドの固定用ナットが激突します。これを防ぐため、フロントフェンダーの位置を修正してみましょう。
現況のモンキーのフロントフェンダー回り
NSR50用フロントフォークとノーマルフェンダーを組み合わせたフロント回り。フロントフォークのフェンダー取り付け用ボルト穴に、ワンオフで製作したスタビライザーを接続・固定。
このスタビライザーにフェンダー固定用ボルトの穴を開け、ノーマルフェンダーをセットしています。フェンダーとタイヤとの「中途半端な」クリアランスもやや気になるところです。
NSR50用フォークに固定されたワンオフのスタビライザー(スチール製)は、鉄板やL字型のアングル素材を切削・加工して製作したもの。今回はスタビライザー本体の取り付け位置を下げることにより、フェンダーの位置も下げてみます。
現況、スタビライザーはフォークのアウター先端よりも上の位置。フルボトム時にステムとスタビライザーが衝突したことはありませんが、安全のためにも今回はスタビの位置をフォークのアウター先端よりも下に設置し直します。
写真上はフロントフェンダーやスタビライザーを取り外したところ。軽快なイメージに仕上がります。
モンキーのスタビライザーをリューターで削り加工
スタビライザーに設けた長穴を横方向に拡大するため、リューターを使って地道に削り加工。素材がスチールのため、とにかく硬い。
この作業は、下記のフライス盤を使えば作業はスムーズです。
ワンオフスタビライザーの本体部分。4つの丸穴を、矢印の方向に長穴に削り加工しました。
ワッシャーでスタビライザーの取り付け用カラーを製作
スタビライザー固定用の取り付けステーをオフセットするため、部品箱から10mm厚のカラーを2個調達。ただし2個足りなかったため、今回は金属用接着剤を使い、厚さ2mmのワッシャーを5枚貼り付けて10mm厚のカラーを追加製作しました。
4つの取り付けステーに10mm厚のカラーを設置
NSR50用フォークとスタビライザーを固定するための4つのステーに、10mm厚のカラーをそれぞれ挟み込んでオフセット装着。また4つのステーの取り付け位置をダウン化しました。
モンキーのスタビライザー取り付け完了
ボルトの長さ選択や長穴加工など、今回の作業はかなり難易度が高かったです。
フロントフェンダーのダウン化(約50mm)により、フロントフェンダーとシリンダーヘッドとの距離が拡大。フロントフォークのフルボトム時に発生する、両者の接触も回避できました。
タイヤとフェンダーとの距離が狭まることにより、外観もスポーティーなイメージにチェンジ。8インチ用のノーマルフェンダーは、10インチタイヤにもよく似合います。