マフラーにはスチール、ステンレス、チタン、カーボンなど、私たちの日常生活の中にも浸透している素材が使われている。モンキーやエイプのマフラーを例に、それぞれの特徴を挙げてみよう。
スチール Steel コスト安なのがポイント
スチールとは鉄のこと。日常生活の中ではもっとも身近な金属といえよう。マフラーではマフラー入口のフランジ部、エキゾーストパイプ、サイレンサー等々、様々な箇所に用いられる。
スーパーカブ用のノーマルマフラー。サビの防止及び外観の向上のため、表面はメッキ処理されている。
耐熱ブラック塗装が施されたシンプルなメガホンタイプのドリーム50用マフラー(社外品)。
△短所 | ○長所 |
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・サビに弱い。サビ予防のため市販用マフラーには耐熱塗装やメッキ処理などが施されている ・アルミやチタンに比べて重い |
・材料の価格が安い ・加工しやすい ・コスト安のため発売価格が抑えられる |
ステンレス Stainless steel サビにすこぶる強い金属
ステンレスは台所の流し台やスプーンやフォークなど、水周りや食器などに用いられることの多い金属。スチール同様、マフラーの素材としても多用。エキパイ、サイレンサー、フランジ部などに用いられる。素材の価格はスチールよりもやや高額。
このマフラーはエキパイ部からマフラーの接続部であるフランジ部まですべてステンレスを採用。
スチールに比べ、サビに強いステンレス。表面のお手入れも簡単。
△短所 | ○長所 |
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・スチールよりも素材自体が硬く、切断や曲げなどの加工が難しい ・コスト高のためスチールマフラーよりも高額 ・スチール同様、アルミやチタンに比べて重い |
・サビに強い ・スチールに比べ、見た目が美しい |
チタン Titanium 軽くて高強度、ただし高額
1900年初頭に誕生した比較的新しいレアメタル。名前の由来はギリシャ神話のタイタン(巨人)から。主にエキパイ、サイレンサーなどに用いられる。スチールやサイレンサーよりも軽くて丈夫。ただし価格がズバ抜けて高額なのがネック。
レインボーカラーに輝くチタン製のエキゾーストパイプ。
ガスバーナーによって味のある焼き色が付けられたサイレンサー。
△短所 | ○長所 |
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・素材が圧倒的に高額 ・素材自体が硬いため、切断や曲げなどの加工が困難 ・コスト高のためスチール製マフラーやステンレス製マフラーよりも発売価格が高い |
・超軽量で高強度 ・高級感のある外観 |
アルミ Aluminum フランジやステー類に採用
軽量かつ放熱性に優れたアルミ(正式にはアルミニウム合金と呼ぶ)。サイレンサーカバーやマフラーを固定するための取り付けステーやブラケット、フランジ部を固定するプレートなどに使用される。
このマフラーはマフラー接続部となるフランジのプレートにアルミ削り出しを採用。
このマフラーのサイレンサーには、美しいブルーのアルマイト処理済カバーを採用。アルマイトとはアルミの耐食性や耐摩耗性をアップさせる表面加工のこと。ドレスアップ度も向上する。
アルミはマフラーの取り付けステーなどにも多用される。写真はアルミ削り出しのタイプ。
△短所 | ○長所 |
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・素材が柔らかい等の理由でエキパイ部に使用されることはほとんどない | ・素材が柔らかいため切断・切削・曲げなどの加工しやすい ・アルマイト処理により着色が可能なため、ドレスアップ度が極めて高い |
カーボン carbon サイレンサーカバーに採用
元々は宇宙研究、実験用ロケット、航空業界の分野で研究・開発が進められてきた炭素繊維強化プラスチック。マフラーではサイレンサーカバー、マフラーの熱から足を守るヒートガードなどに使用される。超軽量、高強度のほか、電導性、耐熱性、自己潤滑性にも優れている。存在感のある独特の模様がポイント。
カーボンの中でも特に軽量かつ高強度なドライカーボンサイレンサー。
カーボン巻きされたレーシーな楕円オーバルサイレンサー。
△短所 | ○長所 |
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・素材自体の生産に手間がかかるため非常に高価 | ・超軽量かつ高強度 ・カスタム度の高い野生的な外観 |
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