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6Vモンキーと12Vモンキー|両者の違いと見分け方を解説

1992年、モンキーは“12V”になって生まれ変わった。カラーリングやタンクのロゴなどを除き、折り畳みハンドル、ティアドロップ型ガソリンタンク、前後8インチの足周り等々、外観に大きな変更はなし。ただし利便性の追求と技術力のアップによって、目覚しい進化を遂げている。

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12Vモンキーの主な特徴

6Vから12Vになったモンキー。外観こそ変わらないものの、エンジンや電気系統に大きな変更を受けている。主な変更点を挙げてみよう。

<1> 安定した電力を供給するため、電装系を当時の小排気量車の定番だった6Vから、大容量の12Vに変更。また、バッテリーはお手入れ不要の便利なMF(メンテナンスフリー)バッテリーを新採用。写真上は12Vバッテリーを取り外したところ。

<2> 接点の清掃等、定期的にメンテナンスが必要な接点(ポイント)マグネット式点火から、点火特性に優れたメンテナンスフリーのCDIマグネット式点火へと変更。これにより、「各部の動作の安定」と「整備性の向上」を大幅にアップさせた。写真は取り外したCDI。

→ 6V車のポイント調整

→ 12V車のCDI点火方式

<3> シリンダーヘッドを一新。フリクションロスを低減させるため、カムシャフトの軸受け部にボールベアリングを採用。

→ 吸排気バルブを動かす「カムシャフト」

→ ハイカムシャフト、通称「ハイカム」とは?

<4> 点火方式の変更及び、12V電装化に伴い、フライホイールを大径化。加えてクランクケース、ジェネレーターカバー、クランクシャフトが変更された。

→ フライホイールの分解・取り付け

→ 点火タイミングの調整(進角・遅角)

<5> 手動式カムチェーンテンショナーから、油圧を利用した便利な自動式に変更。

→ モンキーのカムチェーンを調整

<6> 1速のギヤレシオ(ギヤ比)をローギヤード化し、機敏なスタートを実現。

→ 6Vミッションで12Vの4速をクロス化する方法

【ミッションの関連ページ】

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→ 社外ミッションとクラッチとの密接な関係とは?

→ ミッションの分解・組み付け

→ 組み付け時のシフトチェンジの確認

1992年モデルの大規模な変更は、すでに他車で実証済みだった!

1992年の大幅な仕様変更は、決して突然のものではない。すでに他車に採用されていた、信頼のスペックたちである。

例えばCDI化と12V化。同じホンダ横型エンジンを搭載したスーパーカブは、81年に点火方式をCDI化。86年には、これまで小排気量車にとっては常識だった6Vの電装が、安定した電力を供給する大容量の12Vに変更された。

87年に登場したモンキーRは、スーパーカブ同様、電装を12Vにして点火方式をCDI化。加えて1速から3速のギヤレシオは、後年発売となる12Vモンキーと同じ仕様に設定。カムシャフトは当時としてはレーシーな、両端ベアリング入りのタイプを先行採用している。

モンキーは大きく分けて「FI」「12V」「6V」の3種類

92年の12V&CDI搭載以降、モンキーのエンジンは2008年にFI(フューエルインジェクション)化されるまで、取り立てて大きな変更はない(※注1)。このことから、フューエルインジェクションのモンキーを「FIモンキー」、92年以降のキャブレター仕様のモンキーを「12Vモンキー」、それ以前のモンキーを「6Vモンキー」と大別している。

※注1:1999年に発売された排ガス対応モデルのZ50JY(AB27)は、ピストンやピストンリング、キャブレターや周辺箇所に若干の変更を受けている。

6V車と12V車の外観の違い

自分のモンキーは6Vなのか、それとも12Vなのか?「フレームナンバーなどを確認せずに、もっとも手っ取り早く確認したい!」という時は、ココを見れば両者の違いが一目瞭然。ビギナーでも簡単に見分けることができるはず。

発電量の大きい12Vは、ジェネレーターカバーもビッグサイズ

6Vモンキーと12Vモンキーを見極める3つの方法。それは、

<1> ヘッドライトやウインカーなどの電球類が6Vか12Vかを確認する(バルブ球に明記)。

<2> バッテリーが6Vか12Vかを確認する(バッテリーに明記)。

<3> エンジン左側にあるジェネレーターカバーを確認する。

フライホイールが収まるジェネレーターカバーが、薄くて小さければ6V。分厚くて大きければ12Vとなる。

確率は限りなく低いが、ごく稀に6Vエンジンに12V用ジェネレーターカバーが装着されている場合もある。これを確認するにはジェネレーターカバーを取り外し、フライホイールの形状をチェック。6Vか12Vかは一目で分別できるはず。

モンキーのフレームは、ホンダの横型OHCエンジンであれば基本的6Vでも12Vでもカブ用でもダックス用でも加工なしで搭載可能(一部の旧車用エンジンはエンジンマウント部の削り加工等が必要)。ちなみに中古車の場合、フレームナンバーは6Vだが、エンジンは12Vだったなんて場合があるから注意が必要。

6Vモンキーのエンジン

写真上は6Vモンキーのジェネレーターカバー部及び、ジェネレーターカバーを取り外したところ。発電量の少ない6Vは、どちらも12Vエンジンよりコンパクトな形状。なお、6Vエンジンに12V用ジェネレーターカバーを加工・装着した「なんちゃって12V」もごくごく稀に存在する。

12Vモンキーのエンジン

写真上は12Vモンキーのジェネレーターカバー部及び、ジェネレーターカバーを取り外したところ。6Vよりも発電量の多い12Vは、発電機でもあるフライホイールが大きいのが特徴。なお、フライホイールが収まりきれないため、12Vエンジンに6V用ジェネレーターカバーの取り付けは不可能。

バッテリーの取り付け場所

6Vモンキーや12Vモンキーのバッテリーは左サイドカバーの内側にレイアウト。6Vか12Vかは、バッテリー本体に明記されているので要確認。写真は12Vのメンテナンスフリーバッテリー。

【合わせて読みたい6V車と12V車の見分け方】

→ モンキーの大まかな種類

→ 6Vモンキーと12Vモンキーの見分け方

→ “ナンバー”で分かる6V車と12V車

→ モンキーの「クランク」「ピストン」「コンロッド」の違い

 

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