金属への確実な穴あけを実現する工作機械 – ボール盤の使い方

手持ちの電動ドリルよりも、安全かつ確実に穴あけ作業ができるボール盤。スペースをとらないコンパクトな簡易型から、自動送り機能や50mm級の穴開け機能を持つ、本格的な業務用まで幅広くリリース。マイガレージに1台あれば、何かと役に立つこと間違いなしです。

素材は専用台に固定。ドリルはハンドルで操作

厚みのある素材や、精密度が重視される穴あけ作業に最適なボール盤。垂直に上下するハンドル操作式のドリル部分、材料を確実に固定する専用台など、ハンド式の電動ドリルよりも正確な穴あけが可能です。

スイッチをONにすればチャッキング部が回転。右横に設置されたハンドルを下げればドリル部分が下降します。ドリルのチャッキング能力が~13mm、スチールの穴開け能力が厚み10mm程度の簡易タイプなら、根気よく探せば1万円前後で入手可能です。なお写真は日立製の業務用。

対象物はボール盤用バイスで固定

穴あけ作業を行う時はケガ防止のため、ボール盤用の専用バイスで対象物をしっかりと固定します。

ボール盤の回転力は極めて強く、仮に回転中のドリルが対象物に噛み付くと、ドリルが対象物を振り回してしまう恐れがあります。ステンレスやスチールなど、素材自体が固い場合は、特にこの“振り回し”に要注意です。

ドリルのチャッキング

M8のネジを切ることを想定し、6.7mm径(M8ネジの規定値)のドリルで穴を開けてみます。チャッキングは手持ち式の電動ドリルと同様、付属の専用ハンドルを使用。

写真上のボール盤は、13mm径のドリルまで固定可能です。

写真上は、13mmを超える大径ドリル群。これらのタイプは大型のボール盤にて使用可能です。

穴あけ箇所にセンターポンチを打刻

パーツ取り付け用のブラケットの製作を想定。厚さ10mmのスチール板に、M8ネジ用の6.7mm径穴を設けてみます。まずは穴の設置場所(白いマーカーの部分)にセンターポンチを打刻。

ボール盤用のバイス(固定用の万力)に材料をしっかりと固定。振り回しを防ぐため、ボール盤の用バイスもボール盤の卓上に固定しておきます。

作業時には潤滑剤をたっぷりと吹き付ける

ボール盤のハンドルをゆっくりと降ろし、ポンチを打った箇所にドリルの先端を合致させて回転スイッチをON。

特にスチールやステンレスなど固い素材の時は、ドリルの破損や引っ掛かり、焼き入れを防ぐため、加工部にたっぷりと潤滑剤を吹き付けながら作業します。

ドリルの研ぎ方が甘かったせいか、大きなバリ(金属の返り)が発生。サンダーで削り取ってもいいのですが、それでは仕上がりが汚くなってしまいます。キレイに仕上げるべく、下記の方法を実施しました。

丸穴のバリ取り用工具

ドリルで穴を開けた時のバリ取り用工具。テーパー状になった先端部の一部がえぐられているのが特徴です。

専用ハンドルを使い、ドリルを固定する時と同じ要領でボール盤のチャック部にチャッキングします。

ボール盤を回転させてハンドルを下降。削られたテーパー状の部分が回転することによって、えぐられた部分が“刃”となり、バリを取り除いてくれます。

バリが削り取られてキレイになった2つの穴。この後にネジを切るため、少しテーパーを付けてみました。もう少し深めにテーパーを付ければ、皿ビスや皿ネジも使用できそうです。

 

※ご注意…工作機械を使った作業には危険が伴います。初心者は熟練者の指導の下、正しく、慎重に作業して下さい。なお、パーツの加工、その他の作業の際に発生したパーツや工作機械の破損、ご自身の怪我に対する責任は当サイトでは負いかねます。あくまでも自己責任で作業して下さい。

【工作機械のページ|穴を開ける】
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