バイクのタイヤにはチューブレスタイプとタイヤチューブの必要なチューブタイプがあります。合わせ型ホイールにチューブレスタイヤを履く場合は、気密性が保てないためタイヤチューブが必要。合わせ型ホイール+チューブレスタイヤ、チューブレスホイール+チューブレスタイヤの交換に挑戦してみましょう。
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合わせ型ホイールに装着したチューブレスタイヤの交換
モンキーの10インチタイヤを交換してみます。ノーマルのモンキーは8インチですが、今回タイヤ交換するマシンは、10インチに大径化。フロントは合わせ型ホイールに、ハイグリップタイプのチューブレスタイヤを装着しています。まずはフロントタイヤの交換から。
タイヤ交換するには、地面から前後のタイヤを浮かす必要あり。自動車用ジャッキを使う手法は定番ですが、安定感に欠けるのがネック。バイク用ジャッキ(青)を使うのが理想的です。
同じ10インチでも外周はこんなに違う
写真左から100/80、3.50、110/80。すべて10インチタイヤながら、タイヤの外径(タイヤの高さ)が大きく異なっているのが分かります。
写真左は100/80、写真右は3.50。どちらも10インチタイヤですが、タイヤの外径(タイヤの高さ)が大きく異なっています。
今までと外径の違うタイヤを履く=スピードメーターの表示が変わってくるということ。デジタルメーターの場合は設定変更、アナログメーターの場合は、スピードメーターギアボックスの交換が必要となるので要注意です。
フロントホイールを固定しているアクスルシャフトのナットを緩めます。ディスク化された同車のキャリパーとローターはNSR用を流用。ホイールとのクリアランスはギリギリの状態です。
ディスクローターを外さなければ、ホイールが取り外せないことが判明。六角レンチを使い、ディスクローターの固定ボルトを緩めます。
ホイールとディスクローターが取り外せました。
六角レンチを使い、ホイールに固定されたハブを取り外します。
エアバルブに細めのマイナスドライバーの先端を押し当てて、タイヤの空気を抜きます。次に六角レンチとメガネレンチを使い、2枚のホイールを貼り付けているすべてのボルトを緩めます。
クルマと地面の間にジャッキをかまし、そのままジャッキアップ。これはビードを落とすための専用アイテム「ビード落とし」がない時に用いる昔ながらのジャッキ流用術です。専用品でないため、クルマやホイール、タイヤへの傷や破損、最悪の場合はケガを招く可能性あり。作業にはビード落としを使いましょう。
タイヤのビード部分にビードワックス(なければ中性洗剤)を塗り、ホイールの片方を固定。次にタイヤの中へタイヤチューブをセットし、エアを注入して適度に膨らませます。
ビード部分にビードワックスを塗り、もう片方のホイールを合わせます。
・タイヤチューブを挟み込まないこと
・すべての固定穴が合致するように2枚のホイールを合わせること(今回は六角レンチを挿入して穴がずれないようにした)
以上に注意しながら、8つのホイール固定用ボルトとナットを規定トルクで締め込みます。
ホイール固定用ボルトの締め付け
ボルトはイラストのように対角線上(1~8の順番で)に締め付けます。最初から強く締めるのではなく、段階的にトルクを強めていくのがコツです。
ハブを取り付けたら、エアを注入します。合わせ型ホイールの場合、一気にエアを注入するのは厳禁。貼り合わせた2枚のホイール、タイヤ、タイヤチューブの3つが均等になるよう、地面にタイヤを上下させながら数回に分けて注入するのがポイントです。
タイヤの空気圧は、前後とも100kpa(1.00kgf/cm²)が目安です。
取り外した時と逆の手順でホイールを取り付けます。
チューブレスホイールに装着したチューブレスタイヤの交換
今度はリアタイヤを交換します。リアはチューブレスホイールにチューブレスタイヤをチョイス。タイヤチューブのいらない組み合わせです。
リアタイヤを浮かせるため、市販のレーシングスタンドを使用します。次にドラムブレーキアームに固定された調整用ナットを取り外します。
14mmのメガネレンチと19mmのボックス&ラチェットレンチを使い、リアホイールを固定しているアクスルボルトを緩めます。
リアホイールを固定しているアクスルボルトを引き抜き、リアホイールを取り外します。続いてリアスプロケット、リアハブを外します。
フロントホイールと同じく、エアバルブに細めのマイナスドライバーの先端を押し当ててタイヤの空気を抜き取り、次にタイヤのビードを落とします。
チューブレスタイヤの着脱にはタイヤレバーとリムプロテクターという工具を使用します。
工具の使い方にはコツが必要です。「タイヤ交換に挑戦してみたい」という方は、動画などでもアップされているようなのでそちらを参考にしてください。
タイヤレバーでの着脱作業は、ホイールに傷を付けてしまう可能性があります。「絶対に傷を付けたくない」という人は、タイヤショップにある「タイヤチェンジャー」で交換してもらいましょう。
交換前(前3.00-10、後3.50-10)
交換後(前100/80、後110/80)
タイヤの交換は完了。前100/80、後110/80でちょっぴりファットな足下になりました。
ホイールのリム幅は前2.50J、後2.75Jです。
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