こんにちは。4ミニ.net運営の北です!
私は仕事でバイクやバイクパーツなどの写真を撮ることがあります。驚くのが、昨今のデジタルカメラの性能の良さ。シチュエーションさえしっかり整えておけば、プロのカメラマン並、とまではいきませんが、そこそこ満足できるキレイな写真を撮影することができます。
高機能な一眼レフカメラを使わなくても、ツボさえ押えておけばスマホのカメラでも美しい写真に仕上がります。ここではバイクを被写体に説明していますが、自転車でも自動車でも抑えるポイントは基本的に同じ。屋外で写真を撮る時は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
上の写真は悪い例です。その理由は、
<1>背後に余計なものがたくさん写っているため、被写体が目立たない
<2>カメラのフレームに対し、上下左右が必要以上に開いているため、被写体が小さく見える
<3>逆光のため、エンジンなど入り組んだ箇所が暗くて見えにくい
<4>逆光のため、被写体の前に影が発生している
このような写真では、被写体の魅力が大幅に激減します。
『逆光』とは文字通り、被写体の向こう側、つまりカメラマンの正面に太陽がある状態のこと。写真を写す際、「太陽がまぶしいなあ」と感じたら、逆光になっている可能性が高いので気を付けましょう。
目次
改前後の写真・その1
“悪い写真”の上記4点に注意して撮影したのが下の写真です。
■撮影データ 天候:晴れ / バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい) |
<1>背後に余計なものが映り込まないよう、広い公園で撮影
<2>カメラのフレームの上下をできるだけ詰めて撮影
<3>影の位置に注意しながら、被写体(車体の右側)に太陽の光が当たるよう撮影(7月の快晴時に撮影)
たったこれだけで、随分と印象が違うでしょ?
改善後の写真・その2
今度はシチュエーションを少し変えてみました。
■撮影データ 天候:曇り / バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい) |
横位置(よこいち)
バイクを真横に向けた状態。ホイールの大きさ、スイングアームの長さなどが分かりやすいアングルです。ロー&ロングのカスタムの場合、バイクの長さや低さが強調されます。
■撮影データ 天候:曇り / バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい) |
角度を付ける時のポイント!
できるだけバイクを直立させること。サイドスタンドが短く、バイクが寝すぎている場合は、石ころで構いませんから「噛まし」を入れ、倒れてしまわない程度にバイクを立てましょう。
もっともポピュラーなカメラ位置
角度は前7:3にて。しゃがんだ状態、具体的には地面から1m程度の高さにカメラを構えて撮影。
バイク雑誌などではもっともポピュラーなバイクの角度であり、カメラの位置であるといえます。車体の小さなミニバイクは、このカメラ位置で撮影するのが基本です。
■撮影データ バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい) |
立ち上がった状態で撮影
立ち上がった状態でカメラを構えて撮影。地面全体が背景になるのがポイント。ミニバイクの場合、しゃがんだ状態での撮影に比べ、やや迫力に欠けてしまうのがネック。
■撮影データ
バイクまでの距離:2mくらい / 望遠機能:未使用 / カメラの高さ:立ち上がった状態(地面から1.6mくらい) |
カメラを地面に置いて撮影
カメラを地面に置き、モニターで被写体となるバイクのフレームインを確認しながら撮影した超ローアングルの写真。足元が強調され、車体の小さなミニバイクでも重量感のあるパワフルなイメージに変身します。
■撮影データ
バイクまでの距離:1mくらい / 望遠機能:広角機能を使用 / カメラの高さ:地面に置いた状態 |
部分写真を撮影する上での最大のポイントは、「見せたい箇所を明確にすること」
撮影する時の注意点は、下記のようにバイク全体を撮影する時と基本的に同じです。
<1>背後に余計なものが映り込まないように注意
<2>影の位置に注意しながら、被写体に太陽の光が当たるよう撮影
写真はどちらもレフ板を使っていませんが、奥まった箇所など、どうしても影になってしまう場合は、スケッチブックなど白っぽいやや大きめの紙などをレフ板代わりにし、光を当ててみるのもオススメです。
背景がクッキリしすぎてバイクが目立たない
シャッタースピード調整機能や絞り機能の付いた一眼レフカメラなどの場合、下記のような使い方もできます。一般の方はご参考までに。
写真は角度が前7:3、カメラ位置はしゃがんだ状態で撮影したもの。背景にクッキリと写り込んだ家々が気になりませんか?
■撮影データ
天候:晴れ / シャッタースピード:1/250秒 / 絞り:F2.0 / バイクまでの距離:5mくらい / 使用レンズ:28-90mm(90mmの望遠を使用) / カメラの高さ:1mくらい / 三脚:使用 |
背景をぼかしてバイクを目立たせる
シャッタースピードを数十分の1秒程度に落とし、絞りを適量に絞ってやります。
するとバイクにはピントが合いますが、背景はぼやけて写ります。
これはプロカメラマンが使う基本テクニック。シャッタースピードを数十分の1秒まで落とすわけですから、当然ブレ防止のため、三脚は必須アイテムとなります。
■撮影データ
天候:晴れ / シャッタースピード:1/40秒 / 絞り:F11 / バイクまでの距離:5mくらい / 使用レンズ:28-90mm(90mmの望遠を使用) / カメラの高さ:1mくらい / 三脚:使用 |
あえてフレームから外すのもひとつのワザ
一般の方にはあまり関係ないと思いますが、商業誌などでは対象物をイメージっぽく見せる場合、カメラのフレームからあえて外してみることもあります。
普段、見ている姿とはまた違った姿に見えてくることもあり、面白い写真に仕上がることもありますよ。
■撮影データ
天候:曇り/バイクまでの距離:2mくらい |
以上で説明した写真の撮り方は、あくまでも基本中の基本。
工夫次第で、もっともっと対象物を魅力的に見せることも可能だと思います。では、よい写真を!
■撮影データ
天候:曇り / バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい)
<1>建物の壁を背景に撮影
<2>カメラのフレームの上下をできるだけ詰めて撮影
<3>曇りの日に撮影
レンガの壁をバックに撮影してみました。「近くに広い公園などない」という場合には、このように壁などを背景にするのもオススメです。
ちなみにこの写真は、上の「改善後の写真・その1」よりもキレイだと思いませんか? 理由は“天気”と“季節”が大きく影響しています。詳しくは下記を見てください。
撮影に適した天気と季節
「撮影は天気の良い日が最高!」と思いがちですが、メッキやポリッシュなど反射系パーツが多用された被写体の場合、ピーカンよりも曇り空の方がキレイに撮れる、これがポイントです。
特に真夏のような太陽が高く昇る日は注意が必要。それは頭上から太陽が照らされる=光と影になる箇所の差が激しくなるからです。
なお『改善後の写真・その1』は真夏の晴れの日に撮影したため、エンジン回りが暗くなってしまっています。
これを正すため、プロカメラマンは大きめのレフ板を使用。レフ板の光を、影になっている部分に当ててやる方法です。
「レフ板など持っていない」という一般の人は、『改善後の写真・その2』のように、日中の曇り空に撮影するのをオススメします。ピーカン時よりもキレイに、しかも落ち着いた感じに撮れるはずですよ。
前7:3(まえ・しちさん)
被写体の角度をいろいろと変えてみるのもおすすめです。
形のあるモノには、必ず「もっともカッコいい角度」というものがあります。
写真はバイク雑誌などではもっともポピュラーな角度。ヘッドライト回り、エンジン回り、マフラーなど、バイクのメインパーツがもっとも見やすい角度であるといえます。
ポイントはバイクのガソリンタンクが写真のほぼ中心になるようにすること。マフラー装着側をカメラ側に向けるのがポイントです。
■撮影データ
天候:曇り / バイクまでの距離:5mくらい / 望遠機能:使用 / カメラの高さ:しゃがんだ状態(地面から1mくらい)
後7:3(うしろ・しちさん)
リア回りをメインにしたい場合の角度。リアにワイドタイヤを履いたマシンなどには最適でしょう。