表面が完全にサビてしまったモンキーのマフラー…。表面にポツポツと小さく浮き出た程度ならサビ取り剤で磨き落とすこともできますが、ここまでサビが酷いと完全に手遅れです。かといって再メッキする予算はありません…。そこで今回は、表面を「ひと皮むいて」このマフラーを復活させてみましょう!
目次
メッキマフラーは表面が傷みやすいので要注意
まずは2枚の写真を比べてください。
どちらもスチール製のメッキパーツです。写真Aと写真Bとでは、「サビの付き方」が違いますよね?
バイクの中でもっとも熱を持ちやすい部分は、エンジンのシリンダーヘッドの燃焼室。そのシリンダーヘッドから伸びるマフラーのエキパイは、走行中、数百℃にも達します。
また、マフラーはエンジン始動&停止を繰り返すたびに、熱くなったり冷たくなったり、また熱くなったり冷たくなったり。これを繰り返します。そのため素材のスチールはいうまでもなく、表面にコーティングされたメッキの負担も非常に大きくなります。
上の写真は、それを顕著に物語っています。マフラーはエンジンに近ければ近いほどメッキが剥がれ、サビが酷くなっているでしょ。
メッキパーツは購入後、まずサビを防止する保護剤を塗布。マメに(特に雨天後)水洗い&空拭きをし、よく乾かした後に保護剤を塗布。これを徹底しましょう。
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作業方法
エンジンからマフラーを取り外す
マフラーのサビはもちろん、エンジン側にあるフランジ取り付け用ボルトのサビにも要注意。サビによってこの部分の腐食が進むと、ナットを緩めている時にこの部分が「ポキッ」と折れてしまうことがあるからです。
もしも根本から折れてしまったら、マフラーの取り付けは不可。プロによる修復が必要です(※注1)。フランジ取り付け用ボルトは定期的に潤滑剤を吹き付けるなど、徹底的にサビを防ぎましょう。
折れたボルトを抜く。それがダメなら下穴を開けてタップでネジを切り直し。そして新しいボルトを設置。この作業は手間も時間もかかります。
エキパイの内部を掃除
このマフラーはエキパイとテールパイプがスプリングジョイントされた2ピースタイプ。そのためエキパイの中に溜まったカーボンの掃除がしやすいのが特徴です。
ワイヤーブラシを使い、中のカーボンをかき出します。
ワイヤーブラシで清掃後、今度は中に小石を数個入れ、バーテンダーがシェイカーを持ってカクテルを作るように「シャカシャカ」とシェイクしました。
ペーパーとワイヤーブラシでサビを除去。しかし…
手始めにペーパーでサビを擦ってみます。しかしサビが強烈なため、まったく取れません。ワイヤーブラシでも歯が立ちません。
ディスクグラインダーで表面のサビを削り取る
ここでディスクグラインダーの登場。「一皮、二皮むく」ような感覚で、表面のサビを慎重に削り取っていきます。かなりの荒業ですが、マフラーは軽量化されましたよ(笑)。
スチールの素材がむき出しになったら、耐水ペーパーで全体を整えるとともに、細部に残った錆びをキレイに落とします。
シルバーの耐熱スプレーで表面をコーティング
サビ止め&ドレスアップにはブラックの耐熱スプレーの使用も考えたましたが、メッキのままのテールパイプとのバランスを考慮し、今回はシルバーの耐熱スプレーで作業しました。
耐熱スプレーはホームセンターに行けば1000円前後で購入できます。塗装面にムラが出ないよう、3回程度重ね塗り。塗装後は2時間ほど屋外で乾燥させました。
祝・完成!
光り輝くメッキには敵わないものの、まずまずの仕上がり(かな?)。
まとめ
メッキのままのテールパイプとの若干のチグハグ感はお愛嬌(笑)。1000円程度で出来たのだから、良しとしましょう。
でもやっぱり、シルバーよりもブラックのほうが良かったかなぁ。ブラックだとメッキのテールパイプとの相性がイマイチだし…。だったらテールパイプもメッキを落としてブラックにしちゃえば…。と、考え出したら切りがないのでこのへんで!