オイルクーラーとはエンジン内のエンジンオイルを冷却するパーツ。ストリートマシンはもちろん、レースマシンにも採用されているチューニングエンジンの必需アイテムだ。
オイルクーラーは細かなフィンに走行風を当てて冷却
オイルクーラーはエンジン内のオイルを冷やすパーツ。空冷の市販ビッグバイクにも多数採用されている。
4ミニの場合、排気量アップなどでパワーが上昇すると、エンジンが発する熱量も向上。エンジン内を潤滑するエンジンオイルの温度も上昇する。この上昇したオイルの温度を下げるのがオイルクーラーの役割だ。
モンキー系もエイプ系も、ノーマル車両にはオイルクーラーのオイルライン接続口が設けられていないため、取り付けには専用のシリンダーヘッドカバーやクラッチカバーが必要となる。
オイルクーラーはオイルラインを伝って移動・冷却
高温になったエンジンオイルは、エンジン本体から「オイルライン(水色と橙)」と呼ばれる耐熱チューブを伝ってオイルクーラーに移動。オイルは走行風を直接受けるオイルクーラー本体の中を通過し、冷やされてエンジンに戻ってゆく。
オイルを冷却するオイルクーラーの「コア部分」
オイルクーラー本体に設けられた、オイルが流れる管と細かな冷却フィン。この部分は「コア」とも呼ばれる。
高温になったエンジンオイルの温度よりも低い走行風は、この部分を通過。高温になったオイルの熱を奪ってくれる。
オイルクーラーの取り付け例・その1
フロントフォークとエンジンの間にオイルクーラーを取り付けた例。走行風が当たりやすいため、オイルクーラーの冷却効果も多いに期待できる。市販のキットはこの部分に取り付けるモデルが比較的多い。
オイルクーラーの取り付け例・その2
モンキー用などの横型エンジン用には、シリンダーヘッドに取り付けるタイプもリリース。走行風が当たりやすいのはもちろん、車高を低く見せることができるため、ダックス改やシャリィ改などにも多用。写真は石の跳ね返り等によるフィン部分の傷や破損を防ぐため、金属製メッシュが装着されている。
オイルクーラーの取り付け例・その3
ヘッドライト下に装着した例。走行風がダイレクトに当たるため、冷却効果も良好。レーシーなフロントフォルムに仕上がるのもポイント。
オイルクーラー装着時は油温計があると非常に便利
パワーが上がって熱量が増えると、当然エンジンに負担がかかってくる。
例えば真夏にオイルクーラーなしで長時間ストップ&ゴーを続けた場合、オイルの温度は急上昇してオーバーヒートを招く。
「何℃を越えると、オイルクーラーの装着が必要か」と考えるよりも、「排気量をアップしたら、必ずオイルクーラーを付ける」。これが4ストミニチューンの常識だ。
排気量アップ時には各社から発売されている油温計も併せてチョイスしたい。油温センサーの取り付け位置によっても異なるが、一般的に90℃前後で安定させれば走りもスムーズ。エンジンへの負担も少なくて済む。
オイルライン接続部・その1
12Vモンキーなど横型エンジンの場合、市販のオイルクーラー接続用ヘッドカバーを使えば、シリンダーヘッド部からのオイルライン取り出しもOK。エンジン上にオイルクーラーを取り付けた場合は、オイルラインも短くできる。
オイルライン接続部・その2
社外の強化型2次側クラッチキットに付属のクラッチカバーへ接続した例。このタイプはモンキー系用、エイプ系用ともにリリース。エイプ系の場合は、オイルクーラー接続用のクラッチカバーもラインアップされている。
オイルライン接続部・その3