エアファンネル仕様のキャブは気候の変化に敏感
エンジンが求める理想の混合気を作り出そうとする装置、キャブレター。外気を直接吸い込むエアファンネル仕様車は、気温や湿度の変化によって燃焼状況も大きく変わってくるのが特徴。モンキーやエイプのキャブレターを例に、気象条件によるセッティングの違いを比べてみよう。
空気の密度は気温、湿度、気圧によって大きく変化する。これは“生の空気”を吸わせるレーサーなどのエアファンネル仕様車の特性に、大きな影響を及ぼす。
ちなみに「速く走ること」を極限まで追求したGPマシンなどは、気温が数度、湿度が数%変わっただけでもセッティングは即変更となる。
4ミニチューニングマシンの場合、レースマシンほど神経質になる必要はないだろう。ただしファンネル仕様車の場合、同じ季節でも晴れの日と雨の日とでは、キャブレターの好調・不調がはっきりと体感できるはず。
★気象条件によるセッティングの変化
気象 | 空気密度 | 混合気 | セッティング | |
気温 | 高い | 低い | 濃い | 薄くする |
低い | 高い | 薄い | 濃くする | |
湿度 | 高い | 低い | 濃い | 薄くする |
低い | 高い | 薄い | 濃くする | |
気圧 | 高い(低地) | 高い | 薄い | 濃くする |
低い(高地) | 低い | 濃い | 薄くする |
エアファンネル仕様車は気温や湿度に応じ、臨機応変にジェット類を交換するのが当たり前。
「頻繁にジェット類を交換するのは面倒くさい」というユーザーは、エアファンネルよりも気象状況に左右されにくいエアフィルターのチョイスがおすすめ。通勤・通学にも使用する場合は、フィルター部を雨や泥から守ってくれるカバー付が安心。
ノーマルエイプ用エアクリーナーボックス。大容量かつ密閉性が高いため、気象状況が多少変わってもキャブレターの性能に変わりはない。ただしエアファンネルやエアフィルターに比べ、空気の吸入量が抑えられるためにパワーは出にくい。
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