ディスクブレーキの要となるディスクキャリパーには、いくつかのタイプがある。モンキーやエイプなど4ミニカスタムの場合、フロントには2ポットか4ポット、リヤには2ポットをチョイスするのが一般的。それぞれの特徴を見てみよう。
ディスクキャリパーのポット(POT)とは?
ポット(POT)とはキャリパーの内部にセットされた、ブレーキフルードの油圧によってディスクローターを挟み込むためのピストンのこと。 2個のピストンを備えたキャリパーは2ポット(2P)、4個のピストンを備えたキャリパーは4ポット(4P)と表す。
モンキー、ゴリラ、ダックス、シャリー、エイプなどの4ミニ用は2ポット、4ポット、6ポットがメイン。ポット数が増えるほどピストンの数は増え、制動力はアップ。サイズもビッグになる。ちなみに四輪用には12ポットというタイプも存在。チタン製ピストンを備えたハイパフォーマンスなモデルもある。
対向2ポットキャリパー
ディスクローターを挟み込むための油圧作動式ピストンを2個(左右に1個ずつ)備えたタイプ。小柄なボディーのため、8インチの車両にも対応。フロント・リヤともに採用される。
片側2ポットキャリパー
油圧作動式ピストンを片側に2個備えたタイプ。「片押し式」とも呼ばれる。ノーマルのNSF100やNSR50/80、エイプ・タイプDはこのタイプ。対向2ポットよりもサイズが大きいため、10インチ以上のフロント部に多用される。
対向4ポットキャリパー
ディスクローターを挟み込むための油圧作動式ピストンを4個(左右に2個ずつ)備えた、抜群の制動力を誇る高性能タイプ。ビッグサイズのため、4ミニの場合はフロントのみに、しかも10インチ以上の車両に採用するのが一般的。
対向6ポットキャリパー
ディスクローターを挟み込むための油圧作動式ピストンを6個(左右に3個ずつ)備えた超高性能タイプ。対向4ポットを越えるビッグサイズのため、4ミニの場合はフロントのみ、しかも12インチ以上のカスタムに採用するのが一般的。
ラジアルマウントキャリパー
キャリパーの固定ボルトが、バイクの進行方向に向いたタイプ。ブレーキング時のフロントフォークのねじれを抑制し、フロント周りの剛性をアップ。レーシングマシンや、高性能なレーサーレプリカモデルに多用されている。装着には専用のキャリパーサポートを使用。写真はブレンボ製対向4ポット。
リアブレーキのディスク化には・・・
4ミニのリヤ部分には、スペースの関係上、対抗2ポットキャリパーの使用が主流。写真はウェーブ形ディスクローターを組み合わせたカスタム。
対向2ポットキャリパーを下向きに装着したモンキー。
社外のアルミスイングアーム、キャリパーサポート、バックステップを駆使し、NSR50用ディスクキャリパー、ディスクローター、12インチキャストホイール、マスターシリンダーをエイプに流用。
キャリパーをカラーアルマイト加工
カニブレンボキャリパー本体に、ブルーのアルマイト加工を実施したカスタム車。アルミ製キャリパーはボディーカラーに合わせて自由に変更できるのが嬉しいところ。
アルマイト加工とは、硫酸に電気を流して表面を酸化させ、薄い皮膜を生成させるアルミに適した化学的加工法。ヤカン、鍋、アルミサッシなどにも採用されている。美しいカラーアルマイト処理も可能。作業はアルマイト加工業者に依頼する。大きさにもよるが、作業工賃は一般にメッキ処理よりも安価。
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