モンキーやエイプのフロント用/リヤ用ディスクブレーキキットは、ブレーキ周りを構成するパーツ群がパッケージングされた便利なアイテム。セットになった各パーツの互換性はメーカーで確認済みだから、ビギナーでも安心して取り付けできるのがポイント。メーカー指定のホイールやタイヤを使用すれば、ボルトオンで簡単にディスク化が実現する。
<1> ディスクローター
見た目通り、金属のディスク(disk)=円盤のこと。ホイールに取り付けられたハブに固定する。ホイールが回転すると、ディスクローターも回転。これを油圧式のブレーキキャリパーで挟み込み、回転を抑制するしくみ。
<2> ブレーキキャリパー
「ディスクキャリパー」「キャリパー」とも呼ばれる。ブレーキレバーorフットペダルを作動させることにより、キャリパー側にブレーキフルードが移動。キャリパー内に仕込まれたピストンが油圧によってディスクローターを挟み込むというしくみ。4ミニ用のキャリパーは、ピストンを左右に1個ずつ設置した対向2POT(ポット)、片方に2個設置した片押し2POT、左右に2個ずつ設置した対向4POTなどがある。
<3> ホイールスぺーサー
ホイールをバイクの中心にレイアウトするため、ハブとホイールの間に挟み込む調整用の金属板。ホイールスぺーサーがないとホイールがバイクの中心からズレてしまい、走行安定性が著しく低下。リヤ用の場合は、チェーンラインが出ない等の支障をきたす。
<4> キャリパーサポート
フロントフォークとディスクキャリパーをつなぎ、キャリパーを最適な位置に取り付けるための金属パーツ。「キャリパーブラケット」「ブラケット」とも呼ばれる。取り付ける車両のホイール径、フロントフォーク、ディスクローター径、ディスクキャリパーの種類によって、キャリパーサポートの形状、取り付け穴の間隔(ピッチ)を変えている。アルミ削り出しがメイン。
<5> カラー
真中に穴の空いた金属製の円柱。スイングアームとハブの間に挟み込み、アクスルボルトを貫通させる。ホイールをスムーズに動かす、スイングアームの幅を決める、ホイールをバイクの中心にレイアウトするなどの役割を担う。
<6> キャリパー取り付けボルト
ディスクキャリパーとキャリパーサポートを固定するためのボルト。
<7> ハブ取り付けボルト
ディスクローターと合体したハブとホイールをつなぐボルト。
その他に必要なもの
マスターシリンダー(フロント用)
このパーツは汎用を使用するのが一般的。フロント用はブレーキレバーの他、ブレーキフルード(ブレーキオイル)を溜めておくためのリザーバータンク、ブレーキフルードをディスクキャリパー側に加圧するためのピストンを装備している。ブレーキレバーを握ると、注射器のようなピストン部がブレーキフルードをキャリパー側へと押し出し、キャリパー内のピストンが作動するしくみ。
ミニバイクのカスタム用には、ピストンサイズが「1/2インチ(約12.7mm)」、もしくは「11mm」をチョイス。加えてハンドル径22.2φ用を使用するのが定番。公道で使用する場合は、必ずブレーキスイッチ付属のタイプを選ぶことが重要。
マスターシリンダー(リア用)
フロント用と同じく、ブレーキフルード(ブレーキオイル)を溜めておくためのリザーブタンク、ブレーキフルードをディスクキャリパー側に加圧するためのピストンを装備。基本構造はフロント用と同じ。マスターシリンダーは社外品、もしくはNSR50/80用を流用し、ディスクブレーキ用バックステップと組み合わせるのが一般的(写真)。リザーブタンクはカスタム度の高いアルミ削り出し等もリリースされている。
ブレーキホース/ブレーキフルード
ブレーキホースはブレーキフルード(ブレーキオイル)が行き来する通路。「オイルライン」「ライン」とも呼ばれる。ブレーキホースとブレーキフルードは、ディスクブレーキキットに付属している場合もある。キットの付属品は、高性能かつカスタム度の高いメッシュホースを採用していることが多い。キットに付属していない場合は、装着車両やキットに適合した汎用品をチョイス、もしくはパーツ販売店等でブランドや各サイズを指定する。ブレーキホースは海外ブランドの『アールズ』や『グッドリッジ』が人気。ブレーキフルードはパーツ販売店で入手可能だ。
写真はブレーキホースとブレーキフルードがセットになった便利なアイテム。
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