このゴリラ改は10インチホイール、160mmロングスイングアーム、330mmリヤショックでロンホイ化。ただしリアフェンダーの位置はノーマルのままです。現在装着しているリアフェンダーはスチール製の純正品ですが、リアタイヤとリヤフェンダーの接触を防ぐため、サンダーを使ってリアフェンダーの後端部を “フェンダーレス風”にチョップ加工済み。
真後ろ&斜め後ろからのフォルムは良好なのですが、問題なのは真横。リアフェンダーとリアタイヤのクリアランスが不自然で、リアフェンダーの位置がちぐはぐな感じ。リアフェンダーを取っ払ったら?という意見もありますが、味のあるスチール&メッキの純正リアフェンダーはお気に入りのアイテム。しかも雨天走行もこなす街乗り派の筆者にとっては、実用性の高いリアフェンダーじゃなくてはならないもの。今回はDIYで位置変更してみました。
ノーマルとロングスイングアーム装着車の違い
ゴリラ改のリア回り
不自然なまでに距離が離れたフェンダーとリアタイヤ。現況、雨天走行時など実用面では問題なく機能していますが、真横からのフォルムはご覧の通りチグハグなイメージ。
ノーマルのリア周り
8インチホイール&ショート型スイングアームを採用したノーマルゴリラのリア周り。リアフェンダーもバランス良く納まっています。
後端部分をチョップ加工
ゴリラ改のリアフェンダー。リアショックが沈んだ時(凹凸路を走行した時)にリアフェンダー後端部とタイヤが接触してしまうため、ディスクグラインダー(サンダー)という工作機械を使って1/4程度チョップ加工済み。
金属の削り、切断、研磨、仕上げなどに使用するディスクグラインダー
リアフェンダーの取り付け部①
ノーマルのリアフェンダーは合計4本のボルトで設置済み。まずはシートフレーム部に固定されたフェンダー裏にある2本の6mmボルトを外します。
リアフェンダーの取り付け部②
次にスイングアームのピボット部の横にある、メインフレーム部に接続された2本の6mmボルトを外します。
リアフェンダーの取り外し完了!
取り外したリヤフェンダー。現行モンキーのリヤフェンダーは樹脂製(形状は同じ)ですが、1998年式のゴリラ改は重量感溢れるスチール製。
ピボット部横のブッシュが劣化…
リヤフェンダーの各ボルトの取り付け部には、振動を吸収するためのゴム製ブッシュが装備済み。しかしピボット部横のブッシュは享年劣化によりボロボロの状態。代替品を何にするか悩みどころ。
ベストな位置を模索中!
→後へ100mm ↓下へ0mm
約100mm後方にズラし、上下の位置はそのままの状態。全体的にもう少しタイヤとのクリアランスを詰めたいところ。
→後へ200mm ↓下へ100mm
約200mm後方にズラし、100mm下げた状態。よく見るとノーマルフェンダーはシートフレームへの取り付け部が平らになっています。下げ過ぎるとこの部分目立ち、やや不自然な印象です。
リアフェンダーはこの位置に決定!
→後へ130mm ↓下へ50mm
約130mm後方にズラし、50mm下げた状態。今回はこれがベストだと判断。この状態で各部の寸法を計測・記録するとともに、取り付けに必要なステー類やボルト類の寸法もメモ書きしておきます。
リアフェンダーをレス化した状態
リアフェンダーを取り外したところ。軽快でスッキリとしたリア周りに仕上がるのがポイント。市販のペラフィンリアフェンダーを装着して、フェンダーレス化風にカスタムしてみるのもオススメです!
リアフェンダーの移設作業開始!
160mmもの大幅なロンスイ化を実施した場合、全体のバランスや各部のクリアランスを考慮してノーマルのリヤフェンダーを取り外す。これはモンキー&ゴリラカスタムの常識です。
しかし味のあるスチール&メッキの純正フェンダーは超お気に入り。加えて雨天走行もこなす生粋の街乗り派の筆者にとってはなくてはならない必需品。「ノーマルフェンダーは残したい。しかもバランス良く!」という場合は工夫を凝らし、知恵を絞って作業するしかありません。上記で採寸した位置にリアフェンダーを取り付けるため、近所のホームセンターで使えそうなアイテムを物色してきました!
取り付け位置の採寸に加え、取り付けに必要なステー類やボルト類の寸法をメモ書きしてホームセンターへGO。買ってきたのはスチール製丸穴付き汎用ステー(350円×2個)、ステンレス製6mm×150mm強化型ロングボルト(250円×2本)、ステンレス製6mm×25mmボルト(50円×2本)、ステンレス製φ8×50mmスペーサー(100円×4個)、ステンレス製φ8×20mmスペーサー(100円×4個)、クッション用ゴム(100円×2個)、その他ワッシャ及びナット類。
取り付けボルト穴
フェンダー本体に設置されたメインフレーム側のボルト取り付け穴(劣化した純正のブッシュを取り除いた状態)は、かなり大きな楕円形状。
大径ワッシャを利用
6mm×150mmロングボルトを固定するため、10mmボルト用、8mmボルト用、6mmボルト用のワッシャを3枚重ねて設置。
ワッシャを抜き取り
6.5mmのドリルをクッション用ゴムの穴に挿入し、ドリルを手で回転させながら中に仕込まれたワッシャを抜き取ります。
φ8スペーサーで後方に位置変更
楕円穴に貫通させた2本の6mm×150mmロングボルトに、クッション用ゴム、T字型の特殊ワッシャ、φ8スペーサー(50mm×2個)を設置します。
筒状汎用ステーを仮止め
6mm×25mmボルトを使い、シートフレーム側に筒状の汎用ステーを仮止めします。
ロングボルトを固定
6mm×150mmロングボルトやクッション用ゴム、φ8スペーサー等を設置したリアフェンダーを仮止めします。
汎用ステーを折り曲げて位置調整
丸穴付き汎用ステーを手で折り曲げ、フェンダー本体の位置を50mm下げます。汎用ステーは違和感のないよう滑らかに折り曲げます。
4本のボルトを本締め
フェンダーを固定していたノーマルの6mmボルトを使用し、丸穴付き汎用ステーとフェンダー本体を固定。ボルト取り付け部には衝撃吸収用ゴムが仕込まれていますが、締め過ぎによるゴムの凹みを防ぐためナットはダブルにしています。全体のバランス確認及びリヤショックとのクリアランス確認が終わったら、4本のボルトを本締めします。
Before “前のめり”のフェンダーが…
160mmロングスイングアーム、10インチホイール、330mmリヤショックでリヤ回りをロング化したゴリラ改リヤ。フェンダーをチョップ加工しているものの、取り付け位置はノーマルのまま。
After 後方&下方へと移動!
DIYアイテムを利用したリアフェンダーの移動作業は完了。強度もバッチリです。今時の大型ホームセンターは素材の品揃えがとにかく豊富。「自分流のカスタムをしたい!」という人はフル活用してみてはいかがでしょう?