特殊工具「タップ」を使ってネジを切る(立てる)方法|モンキーのカスタム術

モンキーのカスタムで発生する「ネジ切りの必要性」とは?

ネジ切りを行うには、まず規定値の大きさの穴を開け、次にタップというツールを使ってネジを切り込んでゆきます。タップは非常にデリケートな折れやすい工具。作業は慎重に行う必要があります。

「クリアランスの関係上、取り付け箇所以外にパーツを装着する必要がある」

「錆び付いた旧い車両のネジやボルトが折れてしまった」

カスタムやレストアには、こんな事態がよく起こります。

タップでネジを切る(タップを立てるともいう)作業は一般の人にはあまり馴染みがないと思いますが、金属加工の世界ではよくあること。作業は器用さだけでなく、長年の経験と勘が必要です。

モンキーのカスタムで多用するネジの種類

74fg

日本の製品は、原則としてJIS規格(日本工業規格)で決められたメートル(Meter・Mで表示)のネジが使用されています。バイクに繁用されるネジは、M4、M5、M6、M8、M10、M12あたりがメイン。ちなみにM4とは直径4mmということ。ただし製品によっては、古くからの慣例で「インチネジ(5/16等々)」を使用している場合があります。

ちなみにインチネジのメス穴に、メートルネジのオス穴を組み合わせるのは絶対に厳禁。双方の溝が合致せず、無理やり締め付けるとネジが潰れてしまいます。ネジを切る場合は、必ず使用予定のネジ・ボルトとタップが合致しているかを確認しておくことが大切です。

まずは特殊工具「ノギス」で穴の径を確認する

今回はM8のネジ穴を切ってみます。念のため、ノギスで下穴を計測。直径は規定値通りの6.7mm。今回は素材にスチールを使用しますが、ステンレスの場合は素材自体が固いため、一般に下穴をやや大きめの6.8~6.9mmあたりに設定します。

タップの破損を防ぐため、ネジは段階的に切ることが大切

写真上はすべて「タップ」と呼ばれるネジ切り用工具。ネジ切り作業は、特に慎重さが要求される作業。もしも作業中にタップが折れたら、取り除き作業が実に厄介です。

ちなみに写真はすべてM8用。先端部に向かって<1>かなりテーパー(角度)を付けたもの<2>ややテーパーを付けたもの<3>テーパーなし。作業は<1><2><3>の順番で、段階的にネジ切り。これはタップの先端に掛かる負担を軽減するためです。これによりタップの折れを高い確率で防いでくれます。

ネジ切り作業はとにかく慎重に!これが鉄則です

専用ハンドルにタップを固定し、潤滑剤をたっぷり吹きかけながらゆっくりと時計回りにネジを切ってゆきます。

注意事項は、

真っ直ぐにタップを立てること、

必要以上に力を入れ過ぎないこと。

作業は半周回して半周戻す、これを繰り返します。

仕上げとなる<3>のタップを使用しているところ。

ネジ切り作業は無事完了。作業は一見単純で簡単なようですが、一定の経験と勘が要求されるため、ビギナーにとってはやや難易度が高いかもしれません。特にスチールやステンレスなど固い素材の場合、タップは少しの引っ掛かりでいとも簡単にポッキリと折れてしまうので注意が必要です。

 

※ご注意…工作機械を使った作業には危険が伴います。初心者は熟練者の指導の下、正しく、慎重に作業して下さい。なお、パーツの加工、その他の作業の際に発生したパーツや工作機械の破損、ご自身の怪我に対する責任は当サイトでは負いかねます。あくまでも自己責任で作業して下さい。

【工作機械のページ|穴を開ける】
→ 手軽に穴あけが可能、電動ドリル
→ 確実な金属の穴あけを実現、ボール盤

【工作機械のページ|削る・研磨】
→ 据え置き型の両頭グラインダー
→ 細かな削りや研磨に便利、リューター
→ 荒削りや研磨、仕上げに使用、ディスクグラインダー
→ 面取りや研磨に便利、ベルトサンダー
→ 金属面を“真っ平ら”に研磨、平面研磨機

【工作機械のページ|穴を開ける/削る】
→ 円柱の金属を自由に加工、旋盤(せんばん)

【工作機械のページ|削り込む】
→ 多様な切削加工を実現、フライス盤

【工作機械のページ|切断する】
→ 大型の金属板を即時に切断、シャーリング
→ 自由な形に金属を切断、コンターマシン
→ 金属を溶かして切断、バーナー
→ 短時間で金属棒を切断、金属用ノコギリ

【工作機械のページ|つなげる】
→ 金属を溶かして接続、溶接機

【工作機械のページ|曲げる】
→ 金属を曲げ加工、プレスブレーキ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です