吸排気バルブのメンテナンスやバルブスプリングの交換時には、吸排気バルブの分解が必要だ。作業には特殊工具を使用。バルブ周りのしくみがよく分かるこの作業は、コツさえ掴めば誰でもできるはず。12Vモンキー用シリンダーヘッドを例に説明しよう。
バルブ周りの分解には、各パーツメーカーからも発売中の特殊工具「バルブコンプレッサー」を使用する。
まずは吸気側のバルブ周りを分解してみる。燃焼室にあるバルブフェイス側とバルブコッターをしっかりと挟み込み、バルブコッターが浮き上がってくるまで締め込んでいく。
一気に締め込まず、ゆっくりとハンドルを回してゆくのがポイント。挟み込んだ部分がどのような状態になっているかというと…。
バルブリテーナー側(ロッカーアーム作動側)。ハンドルを締め付けるとバルブスプリングが縮み、バルブコッターという小さなパーツが押し出されるかたちで浮き上がってくる。
バルブコンプレッサーによって縮まったバルブスプリング。
取り外したバルブコッター。左右に合わさった状態でバルブリテーナー内に固定されている。小さなパーツなので紛失に注意。
バルブコッターが外れ、フリーになった吸気バルブ。
分解された吸気バルブ周り。排気バルブ周りの分解方法も同じ。
バルブ周りのしくみ
シリンダーヘッドのバルブ周りは複雑なしくみをイメージしがち。しかしモンキー用は、実にシンプルな構造。分解してみれば、その事がよく分かるはず。
吸気バルブ側も排気バルブ側もしくみは同じなので、分解方法はまったく同じ。分解作業のポイントは、バルブスプリングコンプレッサーを必要以上に締め付けないこと。
なお、組み付けは基本的に分解した逆の手順となる。2つのバルブコッターをバルブリテーナーの上に固定し、バルブスプリングコンプレッサーのハンドルを徐々に緩めながら(バルブスプリングを緩めながら)はめ込んでいく。
細めのドライバーや先端の細いラジオペンチなどを使い、バルブコッターを固定しておけば比較的スムーズにはめ込むことができるはず。
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