モンキー・エイプ、ボアアップとエンジン特性の違い

モンキー・エイプ、ボアアップとエンジン特性

モンキーやエイプのボアアップキット、またボア&ストロークアップキットの排気量は様々。加えてそれぞれのキット(排気量)にはロングストローク型、ショートストローク型、スクエアストローク型の3種類あり。それぞれの特徴を見てみよう。

ロングストローク型

モンキー・エイプ、ボアアップとエンジン特性

ボア径よりもストロークの長いタイプ。低中回転域でネバリ強い、街乗りしやすいエンジン特性がポイント。ノーマルのモンキーはボア径39mm×ストローク長41.4mmのロングストローク型。

ショートストローク型

ストローク長よりもボア径のほうが大きいタイプ。高回転までスムーズに回るレーシーなエンジン特性。ノーマルのエイプ100はボア径53mm×ストローク長45mmのショートストローク型。

スクエアストローク型

ボア径とストローク長が同じサイズのタイプ。市販のエンジン用パーツでは一般に124ccのモンキーに適用される(ボア54mm×ストローク54mm=124cc)。

ロングストローク型、ショートストローク型、スクエアストローク型。走行フィールの違いは?

モンキー・エイプ、ボアアップとエンジン特性

モンキーの場合、ショートストロークとスクエアストロークはエンジンフィールの違いが比較的分かりやすい。

「排気量を88ccのショートストローク型から124ccのスクエアストロークまでアップさせると、トルクが段違いにアップします。

モンキー・エイプ、ボアアップとエンジン特性

例えばカートコースでのレースの場合、余裕のパワーと図太いトルクを誇る124ccは、88ccのように1万4000rpmあたりの超高回転まで回してパワーを稼ぐ必要がない。回さなくても図太いトルクでグングン引っ張ってくれるんです」とは水本レーシング代表・水本氏。

高回転域までガンガン回る、回して楽しい88ccショートストローク。一方、怒涛のパワーとトルクが味わえる124ccスクエア。用途や好みに応じた排気量選びをしよう。

●各車の排気量表(一例)

モンキー系横型ボアアップ/ボア&ストロークアップ → 12Vモンキー

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 41.4mm
※ノーマル
50mm 51mm 52mm 53mm 54mm
39φ ※ノーマル 49cc
46 76cc
47 72cc
48 75cc
49 78cc
50 81cc
51 85cc 102cc 104cc
52 88cc 106cc 108cc 110cc
53 91cc 110cc 112cc 115cc 117cc
54 95cc 114cc 117cc 119cc 121cc 124cc
57 106cc

エイプ50系縦型ボアアップ → エイプ50

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 35.6mm
※ノーマル
42φ※ノーマル 49cc
53.5 80cc
54 82cc

エイプ100系縦型ボアアップ → エイプ100

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 45mm
※ノーマル
53φ※ノーマル 99cc
57 115cc
58 119cc

エイプ系縦型ボア&ストロークアップ → 縦型エンジン搭載モデル

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 56.5mm 49mm
53φ※ノーマル 124cc
54 130cc
57 145cc 125cc

スーパーカブ90ボアアップ → ベンリィ90

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 49.5mm
※ノーマル
47φ※ノーマル 85cc
53.5 111cc

ドリーム50ボアアップ → ドリーム50

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 39.6mm
※ノーマル
40φ※ノーマル 49cc
53.5 89cc

KSR110ボアアップ → KSR110

ボア径(φ)/ストローク長(mm) 50.6mm
※ノーマル
53φ※ノーマル 49cc
56 125cc
59 138cc
60 143cc

 

排気量=ピストン断面積×ストローク長=(ボア径÷2) ×(ボア径÷2)×3.14×ストローク長
例:ノーマルモンキーの場合…(39mm÷2=19.5) ×(39mm÷2=19.5)×3.14×41.4mm=49.43cc

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