ハイカムシャフト、通称「ハイカム」はエンジンのハイパワー化を目指したパーツ。ノーマルのカムプロフィール(※1)を高回転寄りに変更したり、トルクフルな乗り味にする変更したりする“小さな巨人”。モンキーやエイプのハイカムシャフトはパーツメーカーから豊富にラインナップされている。
高出力を目指したハイカムシャフト
ロッカーアームを介し、吸排気バルブを動かすカムシャフト。
2つのカム山(凸)が設けられたこのパーツには、「ハイカムシャフト」、通称「ハイカム」と呼ばれるレーシーなタイプがある。
ハイカムとはノーマルのカムプロフィール(※1)を参考に、バルブリフト量(2つの凸の大きさ)や2つの凸部分の角度を変更したもの。
吸排気バルブの開閉時間、リフト量、開閉タイミングなどを吟味したハイポテンシャルなハイカムは、レースシーンはもちろん、ストリート用カスタムでも定番のアイテム。
各ハイカムの開発コンセプトによっても異なるが、一般にハイカムを組むとエンジンはピーキー(高回転型)になり、MAXパワーがアップ。公道走行に適したストリート向けからレース専用まで幅広くラインナップされているので、用途や好みによって選べる。
カムプロフィール(※1)
カムのバルブリフト量や角度などの設定値。プロフィール(プロファイル)とも呼ばれる。
ノーマルのカムシャフト
12Vモンキーのノーマル用カムシャフト。乗りやすさや燃費を重視したプロフィールとしている。
ハイカムシャフト
モンキー用のストリート仕様ハイカムシャフト。ノーマルに比べ、カム山の凸を大きく、しかも高く設定。吸気バルブのリフト量を増やすことで、エンジン内に混合気をより多く取り込める等のメリットがある。
カムシャフト両端のボールベアリング
写真は12Vモンキー用ハイカムシャフトの軸受け部分。両端にはフリクション(摩擦抵抗)によるロスを低減するボールベアリングが装備されている。
ノーマルのモンキー用は12V車&FI車ともにボールベアリングが採用されている。
カムシャフトの装着方法
12Vモンキーのシリンダーヘッドにカムシャフトを装着しているところ。12Vモンキー用はヘッド横の丸い窓から脱着できる。ロッカーアームにカムシャフトのカム山が引っ掛からないよう、カム山を下に向けて挿入するのがポイント。
12Vモンキーのシリンダーヘッド内にカムシャフトがセットされているところ。この状態でカムシャフトは高回転する。
こちらはエイプ用のデイトナ製4バルブシリンダーヘッド。カムシャフトは写真のようにヘッドの上に載せた後、別途専用ホルダーで固定するしくみ。
【カムシャフトの関連ページ】
→ カムシャフトの「プロフィール」とは?
【腰上パーツの関連ページ】
→ 4ストエンジン、腰上の主要パーツたち
→ 高性能シリンダーヘッドの構造
→ 腰上の分解と組み付け
【腰下パーツの関連ページ】
→ 4ストエンジン、腰下を構成するパーツ
【4ストエンジンの関連ページ】
→ 4ストエンジンの吸気・圧縮・爆発・排気
【エンジンの関連ページ 縦型と横型】
→ 似ているようで大きく違う!モンキーとエイプのエンジン
→ モンキーとエイプのエンジン、チューンするならどっち?
→ アルミフレームに載せるなら縦型or横型エンジン?
→ モンキーの横型とエイプの縦型、ズバリどちらが速い?