モンキーやエイプなど、すべてのバイクのカムシャフトには「プロフィール(プロファイル/PROFILE)」がある。この違いによって、エンジン特性も異なるのが大きなポイント。エンジンの性格を左右するカムのプロフィールを探ってみよう。
カムのプロフィールとは?
カムのバルブリフト量や角度などの設定値。プロファイル(PROFILE)とも呼ばれる。これによりエンジンの特性を知ることができる。
IN(吸気)バルブ側 OPEN(開)●●°/CLOSE(閉)●●°
EX(排気)バルブ側 OPEN(開)●●°/CLOSE(閉)●●°
上記は吸排気バルブが開閉する時のクランクシャフトの角度を数値で表したバルブタイミング。
最大リフト量:IN(吸気)バルブ側●mm/ EX(排気)バルブ側●mm
上記はカム山の高さである「リフト量」をmm単位で表したもの。
カムシャフトのリフト量とは?
カムシャフトに設けられている凸状のカム山は、吸気バルブと排気バルブを開閉するためのもの。
カムシャフトのリフト量とは、イラストのように「短径」と「長径」の差を指す。基本的にカムのリフト量が大きい=バルブを押し下げる量が大きい。
ただしリフト量が大きすぎた場合、ピストンとバルブが接触。トラブルの原因となる。
市販のハイカムを装着する場合は、必ずメーカー指定のシリンダーヘッドやピストンと組み合わせることが大切。
作用角は同じ/リフト量が異なる場合
ハイカムとはリフト量を大きくしたもの。
リフト量を大きくした場合、バルブが開いてから閉じるまでのスピードと移動量が変化。混合気の吸入量や排気ガスの排出量が増大する。これにより、エンジンが高回転型になるのが特徴。
リフト量は同じ/作用角が異なる場合
作用角とはカム山の角度のこと。
例えば作用角が大きい場合、リフト量は同じでもバルブが開いてから閉じるまでの時間が長くなる。これによって混合気の吸入量や排気ガスの排出量が増大し、高回転型のエンジン特性となる。
市販の高性能ハイカムは、リフト量&作用角ともに見直し、バルブの開閉タイミングを最適化したモデルが多数。
イラストはキタコ製カムシャフトとノーマル用カムシャフトの違いを示したもの(キタコカタログより)。カムの山を変更するだけで、エンジンの特性はこんなにも違ってくる。
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