走行時にギヤチェンジする時はクラッチレバーを握り、左足のつま先でシフトペダルを動かす。そのシフトペダルにつながり、連動しているのがシフトスピンドルアームなどの周辺パーツ。モンキーやエイプのシフトスピンドルアーム周辺パーツ分解すれば、シフトチェンジのしくみがよーく分かります。
六角レンチでシフトドラムストッパーアームを取り外す。このパーツにはスプリングが付属。取り付ける時は固定する向きに注意すること。
●規定トルク:0.8~1.2kg・m(※)
下記矢印のメインシャフトを指で回転させながら、まずは不思議な形をしたシフトドラムストッパープレートのプラスビス(ノーマルは六角ビス)に押し当てたドライバーを“軽く”左右に回してみる。
時計方向(右回し)で回せなくなったところがトップギヤ、反時計回り(左回し)で回せなくなったところがローギヤの位置となる。
再度、メインシャフトを指で回転させながら、ドライバーを反時計回りに回転。ローギヤの位置になったことをしっかりと確認し、シフトドラムストッパープレートのビスを緩める。
ネジロック剤で固定された写真上のビスはかなり固いので、ネジ穴をナメないよう十分注意すること。
このビスを緩めるコツは、ビスの頭と地面を平行にし、ドライバーでビスを押さえつけるようにしっかりと体重を掛けながら回すこと。
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ドライバーを反時計回りに目一杯回し、ローギヤにシフトしたところ。1速の凹部分は写真の位置になる。
なお不思議な形状のシフトドラムストッパープレートは、ミッションの種類によって異なる。写真は社外の5速ストリートミッション。
ドライバーを時計回りに目一杯回し、トップギヤにシフトしたところ。5速の凹部分は写真の位置になる。
ビスを固定する時のポイント!
シフトドラムストッパープレートのビスを、そのまま締め付けるのは×。シフトドラムストッパープレートとネジが供回りして、トップギヤに入ったままローギヤ方向に戻らなくなってしまうからだ。
ビスを締め付ける時は、1速から3速あたりにシフト。シフトドラムストッパープレートを痛めない、頑丈なプラスチックや木材などでシフトドラムストッパープレートを固定し、規定トルクまで本締めする。
締め終わったら必ずドライバーを回し、シフトドラムストッパープレートがローギヤ~トップギヤ、トップギヤ~ローギヤへとスムーズに動作するかを確認してみること。 なお、ビスの取り付け時はネジロック剤を使用すること。
●規定トルク:1.0~1.2kg・m(※)
シフトドラムストッパープレートを取り外すと、サイドプレートという丸いプレートが姿を現す。サイドプレートの小さな穴は、小さな凸部分に合致する。
サイドプレートを取り外したところ。ちなみにシフトダウンorアップすると、「シフトスピンドルアーム」のフック部分が左右に動作。シフトドラムに差し込まれたドラムピンがフック部分に引掛かかり、シフトドラムを時計回り・反時計回りに動かすしくみ。
シフト関係のメインパーツである「シフトスピンドルアーム」を取り外す。クランクケースから引き抜けば簡単に外れる。
中央にあるノックピン1本(ノーマルは2本)、周辺にあるドラムピン4本を引き抜く。周辺のドラムピンは4速の場合3本、5速が4本(写真)、6速が5本となる。
クランクケースを反対側に向ける。
細めのマイナスドラーバーを使い、クランクケースに傷を付けないよう写真のゴムキャップを外す。ゴムキャップの奥にはミッションを固定しているボルトが隠れているので紛失に注意。
カウンターシャフトを指で回しながら、まずはボックスレンチを反時計回り(左回し)に回し、ギヤをトップの位置に固定する。
時計方向(右回し)で回せなくなったところがローギヤ、反時計回り(左回し)で回せなくなったところがトップギヤの位置。先程外した不思議な形のプレート取り外し時とは逆となる。
ボックスレンチを反時計回り(左回し)に回し、トップギヤの位置になったことをしっかりと確認。ミッションを固定しているボルトを緩める。 取り付け時はローギヤの状態で締め付けること。
●規定トルク:1.2kg・m(※)
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キックスターター部分の取り外し
「キックリターンスプリングリテーナー」を取り外す。
まずはクラッチの分解で使用した「スナップリングプライヤー」でサークリップを取り外す。
腰下分解の必須アイテム、スナップリングプライヤーは、各パーツメーカーや工具店などで発売。
クランクケースに傷を付けないよう「スプリングフック」などを使ってキックリターンスプリングを取り外す。
組み付ける時は、キックリターンスプリングの取り付け位置がきちんと合っているかを確認すること。
パーツの取り付けにはトルクレンチを使用
各部の取り付けにはトルクレンチを使い、規定トルクで締め付けることが大切。規定トルク以外で締め付けた場合は、
1. トルクの掛けすぎによるパーツの破損
2. ボルトやネジの緩み
を招く恐れがあるので注意しよう。
グリップ部を回転させて規定トルクに設置。設定トルクをデジタルで表示する便利なタイプもあるので要チェック。
※注:上記締め付けトルク値はメーカーのサービスマニュアルによるものであり、各メーカーのパーツによって異なる場合があります。
次なるステップ →シフトチェンジの確認
前の作業に戻る →ジェネレーターの分解・組み付け |
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