モンキーやエイプなど4ミニ用のホイールにはチューブレスタイヤ用の1ピースタイプ、チューブが必要な2ピースタイプ、昔ながらのスポークタイプなど様々なモデルがある。それぞれの特徴を見てみよう。
1ピース型(ハブ一体型)
アスファルト走行を得意としたチューブレスタイヤ装着タイプ。NSR50/80用ホイールやXR50/100用ホイールもこのタイプ。アルミ鋳造、アルミ鍛造などがある。
多くのモデルがディスクローター装着用のハブ(中央のアクスルボルトが貫通する部分)が一体型となっているため、モンキーなどノーマルのドラムブレーキは使用不可。
舗装路での高速走行の安定性やコーナリング性能は極めて高いが、逆にダートなど凹凸のある未舗装路は苦手。そのため、オフロード車に採用されることは基本的にない。
写真のモデルは、溶かしたアルミニウム合金を砂型などに流し込み、冷却後に形を整える鋳造型(ちゅうぞうがた)。ザラついた鋳造独特の手触りが特徴。渋みのある落ちついた雰囲気に仕上がるのもポイント。
凹凸感のあるダイナミックなフォルムも鋳造ホイールのオススメどころ。1ピース型は基本的にチューブレスタイヤ用のため、エアバルブもホイール本体に設置。
1ピース型(ハブ別体型)
ハブとホイール本体が別々になった、アルミ製のチューブレスタイヤ用ホイール。
窓なし、丸窓あり、3本スポーク、4本スポーク等々、ディスク面のデザインも豊富。
足下の高級感がアップする、ホイールの軽量化が実現するなどのメリットもある。
皿状の2枚のアルミを溶接または接着剤で一体化したもの、アルミ鍛造に削り加工を施したものなど、各モデルによって製法もいろいろ。
バフがけによって美しい輝きを放つアルミホイール。写真は溶接にて皿状の2枚のアルミを接合したタイプ。
2ピース型(合わせ型)
ノーマルのモンキーにも採用の合わせ型ホイール(ノーマルモンキーはスチール製)。
社外品はアルミがメイン。皿状に加工された2枚のアルミ板を数本のボルトで貼り合わせ、1本のホイールにしたタイプ。
1ピース型に比べて存在感や高級感はやや劣るものの、低コストで生産できるために価格はリーズナブル。
アルマイト処理されたモデルも多く、ブルー、レッド、ゴールドなどカラーも豊富。カスタムの幅が広がるのも大きなポイントだ。
ただし気密性が低いため、チューブタイヤはもちろん、チューブレスタイヤを履くにもチューブが必要となる。
社外ホイールの素材はアルミが中心。2枚の板を専用ボルトで密着させる。チューブの装着が前提のため、リム部分にはエアバルブ取り出し用の窓も設置。
3ピース構造
ホイールのリム部分と、ハブを装着するためのディスク面が別々になった、ノーマルのR&Pやダックスと同じタイプ。
皿状に加工したディスク面のない2枚の金属板を数本のボルトで貼り合わせ、中央のディスク面を同じくボルトで固定する。
一般的にこのタイプはワイドホイールに採用。極太タイヤを装着する“ビッグフットカスタム”の製作などに多用される。 写真はGクラフト製の4Jタイプ。
ホイールの接続部分。3ピース構造であるこのホイールは、タイヤチューブが必要。従って基本的にタイヤチェンジャー(タイヤを交換するための専用機械)やエアーコンプレッサーの必要なし。自転車用の空気入れがあれば作業OKなので、タイヤの組み付けは比較的簡単。
ディスク面となるホイールスペーサー。このタイプはホイール全体をツートンカラーにコーディネイトできるもの大きな魅力。
スポークホイール
タイヤと合体するリム部分と、金属の細い棒で構成された昔ながらのホイール。
軽量かつ衝撃吸収性に優れているため、凹凸路やジャンプ台を走破するオフロード車に最適。
クラシカルなフォルムを演出するため、アメリカンカスタムなどに採用される場合もある。タイヤの装着にはチューブが必要。
ノーマルのジャズ用ホイールにもスポークホイールが採用されている。
コムキャストホイール
リムとディスク面(スポーク部)がセパレートになった、3ピース型に似たタイプ。ノーマルではモンキーRに採用。
リムとディスク面(スポーク部)がボルトで結合されたコムキャストホイール。
コムスターホイール
1970年代終盤に登場した、軽さと高剛性を両立させたホンダが独自に開発したホイール。アルミの板を放射状になるよう、リムへと接続。
当時は「求められる性能を満たし、整備性に優れ、機能美を備えた理想のホイール」と賞賛された。ビッグバイクはもちろん、マグナ50にも採用(写真)。
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