美しい集合マフラーを採用したCB400FOURは、「ヨンフォア」と呼ばれる伝説のモデル
ホンダ ドリームCB400FOUR……1974年(昭和49年)発売
美しい集合マフラーを採用したホンダ ドリームCB400FOURは、400ccクラス4気筒エンジン搭載の先駆け的なモデル。別名「ヨンフォア」と呼ばれ、伝説的なモデルとしてリスペクトされている。
ドリームCB400FOURは、4本の排気管を1本のマフラーに導いた、当時としては珍しい集合排気システム(集合管)を採用。ハイパワーと静粛性の高い独特のサウンドを作り出し、スタイリング面でもインパクトを与えた。
エンジンは市街地走行はもちろん、長距離走行でも安定した性能を発揮する、信頼の高い空冷4サイクルSOHC 4気筒2バルブ408ccを搭載(37馬力)。
パワーを有効的かつフルに引き出す、ワイドなギヤレシオの6速ミッション。操従安定性の高いライディングポジションに設定されたハンドル&ステップ。高い制動性を発揮するフロントの油圧ディスクブレーキ。手元に集中させたスイッチ類など、充実の装備を誇っている。
当時の発売価格は32万7000円。
ドリームCB400FOURは、4つのシリンダーから排出される排気ガスを大容積の集合チャンバーにまとめ、マルチエンジンの爆発順序によって他のシリンダーの排気を促進。これにより充分なパワーを獲得するとともに、排気の相互干渉によって消音効果を実現。
これら働きは、3つのセパレーターを持った厚みのある大容量マフラーによって一層高められ、驚くほど静かでスムーズなサウンドを生み出している。
Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ DREAM CB400FOUR(1974年)
ホンダ ドリームCB400FOUR、ココがポイント!
・剛性が高く、優れた復元力を持つセミダブルクレードルフレームを採用。
・低いハンドルとシート、適切なステップ位置により、安定性の高いライディングポジションを獲得。
・スリムでレーシーな大型燃料タンク、アップしたテールエンド、4into1マフラーによる機能美あふれるデザインを採用。
・ニュートラル時、またはクラッチを切った状態の時のみ作動し、飛び出しを防ぐ「セーフティスターター」を装備。
・ギヤの飛び越しを防止するストッパーをミッションに装備。
・進路変更などのスイッチ操作が、軽いタッチでできる「2モーションウィンカースイッチ」を採用。ウインカーパイロットランプは左右独立式。
・自動車並みの照度を誇る、50/40Wの薄型ヘッドランプ・ポジションランプを装備。
・メイン、フロント、リヤの電装系を分離し、メインテナンスの楽な3系統式ヒューズを採用。
・後方視界を広げ、安全な走行を助ける大型バックミラーを左右に標準装備。
・乗車姿勢のまま操作ができる、ロック兼用センタースイッチを導入。また扱いやすい両面キーを採用。
ホンダ ドリームCB400FOUR(408cc版) 主要諸元
全長(m) | 2.050 | |
全幅(m) | 0.705 | |
全高(m) | 1.040 | |
軸距(m) | 1.355 | |
最低地上高(m) | 0.150 | |
車両重量(Kg) | 185 | |
燃費(Km/L) (60Km/h時定地走行テスト値) |
36 | |
登坂能力(tan) | 0.37(約20度) | |
最小回転半径(m) | 2.3 | |
エンジン型式 | 空冷4サイクルOHC 4気筒 | |
総排気量(cc) | 408 | |
内径×行程(mm) | 51.0×50.0 | |
圧縮比 | 9.4 | |
最高出力(PS/rpm) | 37/8,500 | |
最大トルク(Kg-m/rpm) | 3.2/7,500 | |
キャブレター | PW 20×4 | |
始動方式 | キック、セル併用 | |
潤滑油容量(L) | 3.5 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板、コイルスプリング×7枚 | |
変速機形式 | 常時噛合式 | |
変速機操作方式 | 左足動式 | |
変速比 | 1速 | 2.733 |
2速 | 1.800 | |
3速 | 1.375 | |
4速 | 1.111 | |
5速 | 0.965 | |
6速 | 0.866 | |
かじ取り角度(度) | 左:41° 右:41° | |
キャスター(度) | 63°30′ | |
トレール(mm) | 85 | |
タイヤサイズ | 前 | 3.00S18-4PR |
後 | 3.50S18-4PR | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク |
後 | ロッド式リーディングトレーリング | |
前照灯 | 50W/40W 154mmφ | |
尾灯 | 8W(番号灯兼用) | |
制動灯 | 23W | |
方向指示器 | 前 | 23W×2 |
後 | 23W×2 | |
警音器 | 平型電気式93ホーン | |
速度計 | 渦流式(積算計・トリップ計内蔵) | |
回転計 | 渦流式 |
運転免許制度の改正により排気量を変更。
408ccから398ccにスケールダウン
ホンダ ドリームCB400FOUR-Ⅰ型/Ⅱ型……1975年(昭和50年)発売
ドリームCB400FOURが発売された翌年の1975年(昭和50年)、暴走族の激増や警察沙汰が社会問題化され、運転免許制度が改正(125cc未満の小型限定免許、400cc未満の中型限定免許、オーバー400ccの限定解除免許の設定)。これにより中型限定免許で乗車できる、国内向けの398ccモデル(CB400FOUR-Ⅰ/Ⅱ)が発売された。
398ccモデルは、ボア径(51.0mm)はそのままに、ストロークを50.0mmから48.8mmに短縮化して、エンジン回転数を上げてパワーを稼ぐ、高回転型のショートストローク型に設定されたのが特徴。
398ccにスケールダウンされたエンジンは、最高出力37ps/8,500rpm→36ps/8,500rpm、最大トルク3.2kg-m/7,500rpm→3.1kg-m/7,500rpmにダウン。
燃料タンクと同色だった左右サイドカバーを、398cc版はブラックに変更。タンクカラーはレッドを継続生産。ブルーは廃止され、イエローに変更された。
なお、Ⅰ型はローポジションでスポーティーなイメージのセミフラットハンドル。Ⅱ型は街乗りやロングツーリングに適したアップ型のスタンダードハンドルをそれぞれ採用。当時の発売価格は408cc版と同じ32万7000円。
ホンダ ドリームCB400FOUR-Ⅰ型/Ⅱ型 408cc版との変更点
エンジン関係
I/II型 | |
1.内径×行程(mm) | 51.0×48.8 |
2.排気量(cc) | 398 |
3.燃費(Km/L)(60Km/h時定地走行テスト値) | 39 |
4.最高出力(PS/rpm) | 36/8,500 |
5.最大トルク(Kg-m/rpm) | 3.1/7,500 |
フレーム関係
I型 | II型 | |
1. ハンドル巾(mm) | 705 | 780 |
2. ハンドル高(mm) | 約 40 | 約 111 |
ヨンフォアには「ヨシムラ管」が良く似合う!
鈴鹿8耐レースでもおなじみのパーツメーカー「ヨシムラジャパン」からは、CB400FOUR登場時より、ブラック艶消しの集合マフラーがリリース。迫力あるヨシムラサウンド、ショートタイプのワイルドな、「ノーマルマフラーのサイレンサー部をぶった切り風」の直管テイストの外観(ヨシムラジャパン製はサイレンサー内蔵)で、ヨンフォアカスタムの定番となった。