スーパーカブの第1号であるスーパーカブC100が登場する6年前の1952年(昭和27年)、ホンダは親しみやすくて経済的な「カブF号」を発売。C100が登場する以前に、“カブ”は存在した。
■取材協力:ホンダコレクションホール
白タンクに赤エンジンが目印
ホンダが大きく羽ばたくきっかけとなったモデルが、「カブF号」。自転車に補助エンジンを組み合わせるという簡素な構造で、庶民の生活にもすぐに浸透。爆発的なヒットとなった。
エンジンは空冷2スト単気筒50cc(ボア40mm×ストローク39.8mm)。最高出力は1.0ps/3600rpm、最高時速は35km/hを誇った。同車は販売するにあたり、全国の自転車店に着目。各自転車店にダイレクトメールを送るという、当時としては革新的な戦略で販売網を拡大した。販売価格は2万5000円だった。
駆動方式はチェーン。ペダルを回転させて始動するしくみだ。「Cub」のロゴが描かれた赤いエンジンカバーが大きな目印。
湯たんぽか、はたまた水筒のような白いガソリンタンクをエンジンの上部に配置。
レトロ感に満ちたスプリング付のサドル。
フェンダー上にはホンダのウイングマークを装備。
時代を感じさせるアーム連動式のブレーキ。速度の調整はスロットル式ではなく、手元に設置された草刈機をイメージさせるレバーで行う方式。
ウェルカムプラザ青山で行われたカブイベント「カブカフェミーティング」にて、自走で参加したナンバー付のカブF型を発見。