カワサキ Z400FX(1979年)|ヨンフォアが消えて2年…400cc4気筒がDOHCに進化して復活

カワサキZ400FX

1977年にホンダCB400FOURが生産終了。
1979年、400cc市場に4気筒モデルが帰って来た!

カワサキ Z400FX……1979年(昭和54年)発売

カワサキZ400FX(初期型)

カワサキZ400FX(初期型のEⅠ)

カワサキZ400FX(初期型)

カワサキZ400FX(初期型のEⅠ)

カワサキZ400FX

カワサキZ400FX(初期型のEⅠ)

1975年(昭和50年)、暴走族の激増や警察沙汰が社会問題化され、運転免許制度が改正(125cc未満の小型限定免許、400cc未満の中型限定免許、オーバー400ccの限定解除免許の設定)。これにより408ccのホンダCB400FOURは、398ccにスケールダウンされ、中型限定免許で乗車できる「ホンダCB400FOUR-Ⅰ/Ⅱ」として発売された。

空冷4サイクル4気筒SOHC 2バルブ398cc、36馬力エンジンを搭載したCB400FOUR-Ⅰ/Ⅱは、販売台数と製作コストが見合わず、1977年(昭和52年)に生産終了。ホンダは「2気筒で4気筒以上」をコンセプトに、CB400FOUR-Ⅰ/Ⅱの後継モデルとして「ホークⅡ CB400T」を発売。

超ストローク型の空冷2気筒SOHC 3バルブ395ccエンジンは、4気筒のCB400FOUR-Ⅰ/Ⅱを凌ぐ40馬力を発揮。画期的な排気2バルブ/吸気1バルブの3バルブエンジンは、バランサーを内蔵。クセのないハンドリングも好評で、大ヒットとなった。

ホンダCB400FOUR-Ⅰ

ホンダCB400FOUR-Ⅰ

ホンダ ドリームCB400FOUR(1974年)|400cc4気筒エンジン搭載の先駆け的モデル

とはいえ、多くの中型限定免許ユーザーは、カワサキZⅡ(Z750RS)や、ホンダCB750FOURにも採用の4気筒モデルに憧れ続けた。「400cc免許でも乗れる4気筒モデルを!」というユーザーのニーズに応え、爆発的ヒットとなったのが、カワサキZ400FXだ。

【名車図鑑】Kawasaki Z400FX(jafchannel)

中免で乗れる空冷4サイクル4気筒。しかもヨンフォアの上を行くDOHCを採用

カワサキZ400FXは、Z1000MkⅡを彷彿させる、当時のカワサキZシリーズならでは直線基調をベースにした、大柄なボディと角張った車体が特徴だ。

最大のポイントは、別名「ヨンフォア」と呼ばれた4気筒のホンダCB400FOUR-Ⅰ/Ⅱは、シングルカムのSOHCを採用。一方、カワサキZ400FXは、Z500の車体&エンジンをベースに、ボア&ストロークをスケールダウンして排気量を398ccに設定。ヨンフォアと同じ2バルブながら、カムシャフトを2本設けて吸排気効率を高めた、高性能なDOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)を採用し、最高出力は1978年に発売されたホンダの2気筒スポーツ、ホークⅢ CB400Nの40馬力を凌ぐ、43馬力を発揮した。

カワサキZ400FX(初期型のEⅠ)

カワサキZ400FX(初期型のEⅠ)

ミッションはスポーティーな6速を採用。フロントフォークは正立型とし、前後ブレーキは制動性に優れたディスク式。なお、ノーマルのフロントブレーキはシングルディスク式だが、ダブルディスク化するカスタムも当時からの定番だ。

カワサキZ400FXの登場は、とにかく衝撃的だった。丸みを帯びたティアドロップ風のガソリンタンクを装備した同車のZⅡ(Z750RS)に対し、Z400FXは堂々たる風格の角張った、「新しいZ」を体現したガソリンタンクやテールカウルを採用。また、400ccながら大型車に負けない迫力を持たせたDOHC4気筒エンジンを搭載。このフォルムに中免ライダーたちは魅了され、瞬く間に大人気となった。

当時の400ccクラスにおいて、ホンダはあくまでも2気筒路線をまい進。スズキも「400ccクラスは2気筒が有利」として、1980年に空冷4サイクル2気筒DOHC 4バルブのGSX400Eを発売。最高出力はZ400FXの43馬力を凌ぐ、44馬力を達成したが……。残念ながら、4気筒エンジン搭載のZ400FXの牙城は崩せなかった。

400ccクラスは、しばらくZ400FXの独壇場。これにメスを入れたのが、1980年に登場したヤマハのXJ400だ。

ヤマハは1980年に35馬力のRZ250、1981年に「ナナハンキラー」の異名を取った45馬力のRZ350をリリースするなど、400cc4ストロークよりも、ミドル級の水冷2ストローク車の動向が注目されていた。

4スト400ccとしては、2気筒のGX400SPがリリースされていたが、Z400FXが発売された翌年の1980年、完全新設計の空冷4サイクル4気筒DOHC 2バルブ398ccエンジン搭載モデル・XJ400を市場に投入。

XJ400は背面ジェネレーターなど、当時最新のテクノロジーを駆使してコンパクト&軽量化。Z400FXの43馬力、GSX400Eの44馬力を凌ぐ、45馬力を発揮した。

ヤマハ XJ400

カワサキZ400FX登場後、ヤマハが満を持して投入した4気筒400ccのヤマハXJ400。

とはいえ、Z400FXの勢いは衰えなかった。ヤマハXJ400の登場を機に、400ccモデルの人気は、「ヘビーで硬派なイメージのZ400FX派」と「軽量でコンパクトなXJ400派」に二分。こうなれば、2気筒にこだわっていたスズキやホンダも、当然黙ってはいない。

スズキは1981年4月、ライバルのZ400FXやXJ400よりもワンランク上の走りを目指し、400cc4気筒モデル初となる、1気筒あたり4バルブのエンジンを採用した「GSX400F」を発売。最高出力は45馬力を発揮した。

スズキ GSX400F

1気筒あたり4バルブの4気筒400cc 16バルブエンジンを搭載したスズキ GSX400F。

また、ホンダは1981年11月、同社ではCB400FOUR以来の4気筒400ccモデルとして、空冷4ストローク4気筒DOHC 4バルブ399cc、クラス最高の48馬力エンジンを搭載したCBX400Fをリリース。

ホンダ CBX400F

ホンダ CBX400F(レッド×ホワイト)

世界初のインボード・ベンチレーテッド・ディスクブレーキを採用したCBX400F

高性能なライバルの登場以来、2バルブで43馬力のZ400FXは、徐々に影を薄くしつつも、根強い人気を獲得。カラーリングや細部の仕様を変更して存続した。

1982年3月、Z400FXをベースに吸排気系を改良して48馬力を達成したZ400GPに、400ccマルチの座をバトンタッチ。しかしコアなファンの要望により、同年12月にE4B型が再販された。

歴代のカワサキ Z400FXシリーズ

カワサキ Z400FX(E2)……1980年3月

カワサキ Z400FX(E2)

カワサキ Z400FX(E2)

2代目のカワサキ Z400FX(型式はE2)。カラーリングを変更し、ヘッドライト下にKawasakiのエンブレムを配置して存在感をアップ。価格は初代のE1と同じ38万5000円。

カワサキ Z400FX(E3)……1980年10月

カワサキ Z400FX(E3)

カワサキ Z400FX(E3)

カワサキ Z400FX(E3)

カワサキ Z400FX(E3)

3代目のカワサキ Z400FX(型式はE3)。カラーリングとグラフィックを変更し、ヘルメットホルダーを新設。メインフレーム横のリフレクターは廃止。価格は40万5000円。

カワサキ Z400FX(E4)……1981年10月

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

カワサキ Z400FX(E4)

4代目のカワサキ Z400FX(型式はE3)。フルトランジスタ点火、フロントセミエアサスペンション、チューブレスタイヤ、タンデムバーを新採用。価格は43万5000円。

カワサキ Z400FX(E4A)……1982年1月

カワサキ Z400FX(E4A)

カワサキ Z400FX(E4A)

カワサキ系販売店で限定500台販売された特別仕様車。ベースは4代目のE4型。通称「グランプリ仕様」と呼ばれる。

カワサキ Z400FX(初代のE1) 主要諸元

全長×全幅×全高 2,100mm×785mm×1,125mm
軸間距離 1,390mm
シート高 805mm
乾燥重量 189kg
エンジン形式 空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒 398cc
ボア×ストローク 52.0×47.0(mm)
最高出力 43ps/9,500rpm
最大トルク 3.5kg-m/7,500rpm
タンク容量 15L
タイヤサイズ (F)3.25-19 (R)3.75-18
当時の販売価格 38万5000円